少し春の訪れを感じる時期ではありますが、暖かい日もあれば冬に逆戻りしたような寒い日もありますね。
また、強い風を感じる日もあり気圧の変化を感じる方も多いのではないでしょうか。
春寒料峭(しゅんかんりょうしょう)とも称される春直前の季節は、実はメンタルヘルスにおいて変化が起きやすい時期ともされています。
そこで今回は、気候や気圧の変化がどのような影響をもたらすかお話をしてまいります。
気温差や気圧差は体にどのような影響をもたらす?
①「気温」の変化がもたらす影響とは
私たちの身体は気温差の影響を受けた際に、寒いと感じた時には体温を保つために自律神経のうちの交感神経を優位に働かせて体温を保持しており、身体に熱がこもって熱い時には、副交感神経が優位になることで放熱して体温をコントロールしています。
3月から4月にかけての時期は日中の気温に比べて朝晩の冷え込みが厳しく気温が大きく上下するため、
交感神経と副交感神経が急激に切り替わることで負担が蓄積し、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
症状は様々あるとされますが、副交感神経が過剰に優位になるタイプの方は、春特有のだるさや日中の眠気、抑うつなどが生じるといわれてます。
一方で、交感神経が過剰に優位になるタイプの方は、イライラと怒りっぽくなるといった精神面以外にも、頭痛などの慢性痛、胃の調子が悪くなる、寝つきが悪くなるといった症状が生じるといわれています。
また、「寒暖差疲労」という温度差が7℃以上あるときに発生する特有の心身不調もあります。
天気予報にて前日との気温差が7℃以上あることが事前に分かっている際は、事前にしっかりと睡眠をとったり、朝ご飯を食べる、水分摂取を心がけるといった体調管理をしつつ、後述の予防策も是非お試しくださいね。
②「気圧」の変化がもたらす影響とは
じつは気温だけではなく、気圧が不安定なことも、自律神経を乱れやすくさせることがわかっており、原因としては耳の奥にある「内耳」という気圧のセンサーが、変化に過剰に反応する事といわれています。
春の時期は移動性高気圧や低気圧が交互に日本付近を通過しはじめますが、これまでの調査研究で、低気圧が近づく時や高気圧が張り出してくるとき、どちらの気圧の変化においても、自律神経の乱れ由来の症状発症数が多いことも判明しました。
気圧が下がると不調になるということは、高気圧の時に体調は良好になりますか?というご質問をいただくことがありますが、答えは「NO」です。
一見、気圧が上がれば元気になるようなイメージがあるかもしれませんが、変化した気圧に順応しようと過剰に自律神経が働くことで不調が起きるため
低気圧の時より発生頻度は低いとされるものの、高気圧であっても心身には影響がある。と覚えておきましょう!
春の気圧・気候によるイライラや疲労を予防しましょう!
①耳のストレッチ・ぐるぐる運動
気圧変動による不調改善におすすめのセルフケアです!
- 親指と人差し指で両耳を軽くつまみ、上・下・横に、それぞれ5秒ずつ引っぱる
- 耳を軽く横に引っぱりながら、後ろ方向に5回、ゆっくりと回す
- 耳を包むように折り曲げて、5秒間キープする
- 手のひらで耳全体を覆い、後ろ方向に円を描くようにゆっくりと回す。
(1)~(4)までを1セットとし、3~5セット程度の実践しましょう。
②体を温める、汗ばむような行動を実践する
温度や湿度の変化に対して発汗し、体温を下げるときにも自律神経は働きます。
温度や湿度の変化にうまく対応あせるためには「適度な体温調整をする機会」を持つことが重要となりますので、以下の行動がおすすめです。
■運動:ウォーキング、サイクリングなど血液循環を促す運動を20分程度行う
■入浴:39℃以下のぬるめのお湯に10~15分ほどゆっくり浸かる
③「ビタミンB」が含まれる食材を積極的に摂取する
ストレス緩和や神経伝達物質合成、自律神経調整には「ビタミンB群」の摂取がおすすめです!
なかでも交感神経の興奮を抑えるビタミンB6や自律神経の材料となるビタミンB12を積極的に食べるように意識できると安心ですね。
■ビタミンB6、B12が多く含まれる食材
魚介:マグロ、かつお、鮭、さんま、いわし、牡蠣、あさり、しじみなど
肉類:レバー(牛・豚・鶏)、鶏ささみ、鶏むね肉、
大豆製品:豆腐、納豆、枝豆、豆乳、みそ、しょうゆ など
その他:バナナ、卵、アボカド など
■ビタミンB群たっぷり!簡単おすすめレシピ
気持ちや体調が落ち込みやすい季節を乗り切り、穏やかに春を迎えられるよう無理のない範囲で実践してみてくださいね。
ご質問やご相談などありましたら、健康相談チャットを気軽にご利用ください。
執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
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