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心理的安全性を高めよう①

2022/09/06
ヘルスアップ健康だより
テレワークが普及してきた現在、「相手の表情が読み取りにくく気持ちが汲み取れない」「上手く伝わっているか不安」といった声を聞くことが以前より多くなりました。

このような状況下で、チームメンバーに『心理的安全性(psychological safety)』を生み出すことが、今求められています。

第一回として今月は心理的安全性について確認しつつ、第二回ではその対処法について取り上げる予定です。
心理的安全性とは

心理的安全性とは、組織行動学者のエイミー・エドモンドソン教授がチームメンバー一人ひとりが恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態と定義しています。

また、2015年にGoogle社の研究チームが、「チームパフォーマンス向上のためには心理的安全性を高めることがもっとも重要」と発表したことがきっかけとなり、世界中で注目されるようになりました。

心理的安全性の高いチームは、以下のような特徴があります。

・離職率が低い
・他のメンバーが提案したアイディア活用が上手である
・マネージャーから評価される機会が2倍に増える
・収益性が高い

心理的安全性を高めるためチームでできること
現在のチームの心理的安全性を把握することが必要ですが、心理的安全性を測る方法として、エドモンドソンが提唱した7つの質問があります。
  1. チーム内でミスを起こしても批判されることはないといえますか?
  2. チーム内で課題やネガティブなことを指摘し合えますか?
  3. チーム内では異質なものを受け入れる傾向はないといえますか?
  4. チーム内でリスクが考えられる行動であっても取ることができますか?
  5. メンバーにヘルプを頼みやすい状況といえますか?
  6. 自分を騙すようなメンバーはいないといえますか?
  7. チーム内で、自分のスキルと能力が発揮されていると感じられますか?
7つの質問に、はい・いいえで回答してもらうことで、職場の心理的安全性を測ることができます。

はいが多いほど「心理的安全性の高いチーム」だと判断できます。
そして、上記7つの要素をポジティブな回答にする努力こそが、心理的安全性を高めていく要件といえます。

チームの生産性を高めるために、心理的安全性のほかに重視すべきこと
上記のように心理的安全性を高めるためにミスを報告しやすくすると、ミスをすること自体への抵抗感が薄れて仕事の質が落ちるのではないかという懸念が出てくるのではないでしょうか。

エドモンドソン教授は、心理的安全性とモチベーションや責任感は別の指標であり、心理的安全性が確保されたら責任感がなくなるという相関関係はないと説明しています。


〇無関心ゾーン
責任感も心理的安全性も低く、仕事や職場に無関心な状態

〇快適ゾーン
責任感が低く心理的安全性は高い、仕事や職場が心地よい状態

〇不安ゾーン
責任感が高く心理的安全性は低い、仕事や職場に不安を抱えている状態

〇高パフォーマンスゾーン
責任感も心理的安全性も高く、高いパフォーマンスを発揮できる状態

心理的安全性が高いだけでは、快適ではあるものの日々の業務をこなすだけのぬるま湯環境になってしまいます。

一方、責任・モチベーションが高いだけでは、責任感は強いもののミスや失敗を責められたりする不安と常に隣り合わせの環境になってしまうことがわかります。

チームの生産性を高めるためには、心理的安全性と責任感・モチベーションのどちらかだけではなく、両方を高めることが重要だといえます。

次回のコラムでは、心理的安全性を高めるための具体的な方法についてアサーションをご紹介いたします。
ご自身の所属するチームの心理的安全性について考える機会としてはいかがでしょうか。
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執筆者プロフィール 横山/保健師・公認心理師
臨床経験の後、行政での保健師経験の他、官公庁、民間企業にて産業保健に従事してまいりました。保健指導、健康相談、研修の企画、運営の他、メンタルヘルスの面談を数多く経験しています。
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