H1

健康コンテンツ

健康コンテンツ詳細

心理的安全性を高めよう②

2022/10/06
ヘルスアップ健康だより
前回のコラムでは、心理的安全性の重要性や、心理的安全性を高めるためにチームでできることなどをご紹介いたしました。
今回は心理的安全性を高めるための具体的対処法について、アサーションをご紹介いたします。

アサーションとは

アサーションとは、「自分も相手も大切にしようとする自己表現」のことをいい、アサーティブ、アサーティブネスともいいます。

自分の意見、考え、気持ちを正直に、率直にその場にふさわしい方法で表現すると同時に、相手が表現することを待ち、聴いたり理解しようとしたりする態度であり、相互の関係性を大切にした自他尊重のコミュニケーションです。
職場では、チーム内でも、上司部下との関係においても、またプライベートでも活用することのできるスキルといえます。

自己表現としての3つのタイプ
アサーションでは自己表現のタイプを主に3つに分けて考えます。あなたはどのタイプに近いでしょうか。
《非主張的タイプ non-assertive》
自分よりも相手のことを大切にしようとするため、自分の考えや意見、気持ちを言わない、相手にわかりにくい言い方をする傾向があるタイプ
特徴…引っ込み思案・消極的 ・依存的 ・他人本位 ・相手任せ ・承認を期待する、など
《攻撃的タイプ aggressive 》
相手よりも自分を優先に考えようとするため、自分の意見や考えははっきりと自己主張するが、相手の気持ちや言い分を聞かない、言わせない、など自分の意見を通そうとする傾向があるタイプ
特徴…尊大 ・他者否定 ・操作的 ・自分本位 ・相手に指示支配的 ・一方的に主張する、など
《アサーティブ assertive タイプ》
非主張的~と攻撃的~との中間で、自分の意見や考えを正直に率直に言うことができ、同時に相手の立場や言い分もきちんと聞こうという態度をする傾向があるタイプ
特徴…誠実 ・率直 ・積極的 ・自他尊重 ・対等 ・自他調和 ・自他協力・歩み寄り ・柔軟など

相手の気持ちも尊重しながら、自分の気持ちや意見を誠実に・率直に・そして対等に表現するため、アサーティブな伝え方を学んでいきましょう。
ここでは言語的/非言語的アサーションに分けてご紹介いたします。

【言語的アサーション】
具体的なアサーションの方法をDESC法に沿ってみていきましょう。
DESC法は,会議などで課題を解決しようとするとき、人と会ってどのように言えばよいか迷うとき、トラブルを解決しようとするときなどに役立つ方法です。

D:Describe(描写する)→客観的に状況・事実を伝える
E:Express(表現する)→自分の意見や感情を表現する
S:Specify(提案する)→相手に求めているものを言葉で伝える
C:Choose(選択肢を与える)→相手が提案を受け入れた場合、受け入れない場合の次の選択肢を与える

あてはめて考えてみましょう!
Ex.現在たくさんの案件を抱えて忙殺されている私。今月担当することになっている研修にまで時間がさけそうにありません。そこで、少し余裕がありそうな部内の先輩に、今月の研修担当を代わってもらおうと思いました…
D (事実の描写) …「現在抱えている案件は今月末が期限なのですがなかなか進んでいない状況です
E (表現・表明)…「このままいくと、今月の担当まで手が回りそうにありません
S (提案・お願い)…「もし可能でしたら、今月の担当を代わっていただきたいのですがいかがでしょうか。
C (選択肢・代案) …「来月になれば時間ができますので、来月の担当をさせていただいたいと思っています
→このように、相手に納得してもらいながら自分の意見を伝えることができると、信頼関係を築きながら物事を合理的に進めていくことができるようになります。
ぜひ実践してみてください。
【非言語的アサーション】
私たちは、相手の言葉そのものよりも、言葉と一緒に示す態度や声の調子のほうを印象深く受け止めてしまう傾向があります。
例えば、「ありがとう」と言われて、それが心のこもったものなのかそうでないのかは、言われた側はすぐにわかります。
「ありがとう」というメッセージと共に、表情や態度(視覚情報)、声の調子(聴覚情報)の中に、相手の本当の心を読んでしまうということなのです。

このように、非言語的なアサーションの要素として、視覚的なものと聴覚的なものに分けることができます。

視覚的なもの…視線、表情、姿勢、動作、人と人との距離、身体的接触の仕方、服装など
聴覚的なもの…声の大きさ、話し方の流暢さ、速度、調子、明確さ、余分な音の有無、反応のタイミングなど

 アサーティブな印象を与えるポイントとして、以下を参考にされてください。

〇伝えたいことはなるべく堂々と、自信をもった態度で伝える。相手の目や口元を見て話す
〇自分の表情や姿勢、服装なども相手に様々な印象を与えているため、時々鏡を見て自分で確認する
〇居丈高でもなく卑屈でもなく、対等な姿勢で、相手の顔を見ながら落ちついた態度で伝える
〇誠意をもって、気持ちに合ったわかりやすい言葉を選んで伝える


ことばだけでなく、非言語的な要素によっても相手に与える印象が大きく変わってきます。
ぜひ、この機会にご自分の自己表現のタイプについて考え、コミュニケーションスキルについて振り返る機会としていただければと思います。
毎日の元気と笑顔をサポートする健康情報をお送りします!

季節のトピックスや健康増進に役立つコラム・動画を定期配信しています。
「これならできそう」、「これを実践したら心地よさそう」と思えることがあなたに合った健康づくりのヒントを見つけるコツ!
できることから無理なく健康づくりを始めましょう!
バックナンバーはこちらからご覧いただけます。

執筆者プロフィール 横山/保健師・公認心理師
臨床経験の後、行政での保健師経験の他、官公庁、民間企業にて産業保健に従事してまいりました。保健指導、健康相談、研修の企画、運営の他、メンタルヘルスの面談を数多く経験しています。
チャット健康相談では、日常の小さなお悩みでもぜひお待ちしています。一緒に解決法を探していきましょう。

看護師・保健師があなたのそばに。
ボタンをタップして、LINEで相談してみましょう!

一覧へ戻る