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女性のうつ~①マタニティブルーと産後うつから周囲ができること

2022/11/10
ヘルスアップ健康だより
女性の人生では二度、うつ病を発症しやすい時期があるといわれており、産後と更年期がそれにあたります。

今回のコラムでは、産後のうつについて、次回のコラムでは更年期についてみていきます。

ご自身についてはもちろんのこと、ご家族や職場の方を含め、周囲の大切な方と接する際の事前知識のひとつとされてください。

マタニティブルー 出産後の女性の30~50%が経験

1~2週間ほどでおさまる一時的な気分の変動

症状 出産直後から数日後までの一時期、気分が変わりやすくイライラしたり、突然不安になったり、涙もろくなったりといった心身の不調を感じる

原因 急激なホルモンバランスの変化など

Point 本人は気づいていない場合もあります。パートナーやご家族など身近な周りの方は、気持ちに寄り添って見守ってあげてください

マタニティブルーの体験談
・退院直後、泣き続ける子どもに今後が不安になり、涙が止まらなかった
・数日夫が休みを取ってくれ里帰り先に来てくれたが、何の協力もしていない様子をみて無性にイライラした
など

産後うつ 10人に1人の罹患率

2週間以上続く 産後3か月以内に発症することが多い

症状 疲れやすく気力が起きない、食欲がなくなる、理由もないのに不安になる、あまり眠れないなどの症状

原因 産後にホルモンバランスが急激に変化することや、慣れない育児等で身体的・精神的にも負担がかかりやすいことなどが要因

Point こういった症状が2週間以上続く場合には、新生児訪問の際の助産師や、かかりつけの医師、自治体の保健師等に相談しましょう

注意!
マタニティブルーから産後うつに移行することもあります。発症の背景要因として、うつ病等の既往の他、パートナーからのサポート不足など育児環境要因による影響も大きいと言われています

 産後、復職している方は周りにいらっしゃいますか?

仕事への影響として考えられること
育児も家事もしっかりやろうとして、体調を崩してしまうことがあります。夜間授乳や夜泣きによる睡眠不足のため日中の職務への影響(眠気、集中力の低下など)が出る可能性があります。また、保育園へ預けている場合は、特に預けはじめなどは発熱などで呼び出されることも多くあります。

本人のアクション
復帰時期について職場への復帰時期や、勤務時間、仕事の内容など、職場と確認しましょう。 復職後、体調が悪い場合は、無理をせず相談して業務などの調整をしてもらいましょう。また、配慮していただいている場合は感謝の気持ちを持って周囲に接することが周囲の理解にも繋がります。

職場のサポート
授乳中の場合は、乳腺炎にならないため、適時搾乳できるスペースや母乳冷凍保存のための冷凍庫等の設備の準備が望まれます。出産後の母体の回復についての理解や、突発的なお休み、授乳による体調不良や睡眠不良などについての理解と配慮をお願いいたします。
出典:「事業主の皆様へ マタニティハラスメントの起こらない職場づくりハンドブック」一般財団法人女性労働協会 平成27年度開発プログラムより改定


従来の育休制度に加えて、新制度『産後パパ育休』がスタートしました!

生後8週までに男性が育休を4週間まで取れる新制度が10月からスタートしました。

2回まで分割して取得することができ、労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能です。

厚生労働省によると、2021年の育休取得率は、男性14%、女性85%です。

政府は、2025年までに「男性の育休取得率30%」を目標として掲げており、今後はますます男性の育休の取得が増えることが予想されます。

子どもがいる夫婦全体でみると、「家事・育児時間なし」で16.3%、「8時間以上」で46.2%に第2子以降が生まれており、家事・育児時間が長いほど子どもが生まれている割合が高くなる傾向があります(*)。

以前より取得しやすくなった新制度で、『子育てのリアル』の一部を体験することが、今後の家族のあり方を変えていくかもしれません。

 *「家事・育児時間」とは、1日の中で家事や育児に何時間くらい費やしているかを、平日と休日に分けて質問したものである。

男性育休、あなたはどう思いますか?

東京都は、『育休』の愛称を『育業』へ変更をしました。これは、育児は休みではなく、未来を担う子どもを育てるという大切な仕事だから、という意味が含まれています。

特にコロナ渦以降は、産前産後を通して、妊婦やママ同士の交流がしにくい状況にあるため、孤独感を抱え込みがちになるなどの傾向もあるようです。
身体的にも精神的にも不安定になりやすいこの時期、パートナーとして、家族として、そして一緒に働く仲間として、できることについて考える機会としていきましょう。

気持ちが晴れない気がする、寝不足が続いて辛いなど、小さなお悩みから体調のご不安など、オンライン健康推進室の健康相談も是非ご活用ください。

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執筆者プロフィール 横山/保健師・公認心理師
臨床経験の後、行政での保健師経験の他、官公庁、民間企業にて産業保健に従事してまいりました。保健指導、健康相談、研修の企画、運営の他、メンタルヘルスの面談を数多く経験しています。
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