皆さんは、マインドフルネスとは何か、知っていますか?
聞いたことはあっても、どんなものかはっきりとはわからない方も多いのではないでしょうか。
宗教色が強いのでは、本当に効果はあるのか…、など疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
今月のメンタルヘルスコラムでは、脳科学からみたマインドフルネスの効果についてお話ししていけたらと思います。
遅刻する!!その時、脳はどうなっている?
朝起きて時計を見たら、会社の始業まであと30分…!そんな時、『あれ、スマホは?カギは??・・・どこにあるかわからない!!』となってしまった経験はありませんか。その時、脳内ではどんな変化が起きているのでしょうか。
ストレスで暴走する扁桃体、ストレスに弱い前頭前野
扁桃体は、私たちの脳の左右にある、アーモンド状の器官で、
ストレス反応に重要な役割を果たしており、主に、「恐怖」「不安」「緊張」「怒り」などのネガティブな感情に関わっています。
そして額のすぐ奥にある
前頭前野は、
理性の脳といわれており、大脳の約3割を占めています(人間と動物の脳を比べたときに大きく違うのが、この「前頭前野」の大きさで、人間以外の動物では1割以下といわれています!)。「考える」「記憶する」「アイデアを出す」「感情をコントロールする」「判断する」「応用する」など、人間らしくいるための重要な働きを担っていますが、
ストレスに弱いという欠点もあります。
前述した遅刻の状況では、このように扁桃体が激しく活動すると、冷静な時ならすぐに見つけられるはずのスマホも、どこにあるかわからなくなってしまうのです。
日々の生活もストレスフル
私たちは、会議中にメールが来て返信をしたり、電話をしながらパソコンで資料作成したり…。現在は、家事や育児、介護などもそこに加わっていることも少なくないと思います。
同時に二つ以上の作業を行う「マルチタスク」は、常に脳の切り替えを行っている状態であり、必要以上に前頭前野に負荷をかけてしまいます。
うまく仕事が進まない、期日までに業務は完了するのか、売り上げは達成できるのか…、こんなネガティブな感情も、扁桃体の過活動に繋がっていく、いわば悪循環な状態です。
扁桃体の過剰な活動を抑えるためには…
扁桃体の過剰な活動を抑えて、うまくコントロールするためにはどうしたらよいのでしょうか?
その答えの1つが、マインドフルネスです。
マインドフルネスとは、本来、「目の前のことに集中する」という意味を持っています。マインドフルネスを実践することで、扁桃体が小さくなり、ストレスに過剰反応しにくくなるといわれています。
1日5分でも、1分でも。誰にでも、すぐに実践できる、マインドフルネスをぜひ体験してください!!
日常生活でマインドフルネスを簡単に実践する方法
- 座っている状態で目を閉じて、自分の呼吸に集中する
- 鼻を出入りする空気の流れや空気によって体が膨らんだりしぼんだりすることを心の中でつぶやく
<吸って→(体が)膨らんだ→吐いて→(体が)しぼんだ>
- 雑念が湧いてきたら、その雑念を振り払って再び呼吸に集中を戻す。
起床時・お昼休み・寝る前などルーティンに組み込みましょう♪
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執筆者プロフィール 横山/保健師・公認心理師
臨床経験の後、行政での保健師経験の他、官公庁、民間企業にて産業保健に従事してまいりました。保健指導、健康相談、研修の企画、運営の他、メンタルヘルスの面談を数多く経験しています。
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