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睡眠には脳も体も眠っている状態であるノンレム睡眠と、脳は起きているけれど体は眠っているレム睡眠があります。睡眠に入ると、最初に深いノンレム睡眠がやってきて、約90分後にレム睡眠がおこります。明け方に向かって徐々に浅く、短くなるノンレム睡眠と、明け方に近づくと長くなるレム睡眠、この二つの睡眠を交互に４～５回ほど繰り返して人は目覚めます。

睡眠はどの部分も大事ですが、特に眠りに入った直後の90分にあたるノンレム睡眠は、睡眠の中で特に深い眠りで、この90分の眠りの深さが睡眠の質に大きく関わっているといわれています。

仮に睡眠時間が短くても、最初の90分深く眠ることができれば、睡眠の質は維持できます。しかし、どんなに長く眠っても90分の眠りが浅いと睡眠の質は高まりません。そうした理由から、最初のノンレム睡眠は「黄金の90分」、「眠りのゴールデンタイム」と呼ばれています。

「黄金の90分」で得られる代表的なメリットは2つあります。ひとつは、疲労回復に役立つ成長ホルモン（グロースホルモン）が多く分泌されること。ふたつは、眠りたいという睡眠欲求のほとんどが解消できる点です。

睡眠の質を決める最初のノンレム睡眠では、人の成長に深く関わる成長ホルモンの7～8割が分泌されます。成長ホルモンは、細胞の増殖や新陳代謝を促し、疲労回復やアンチエイジングの役割も果たすといわれています。

長く起きていると高まる、眠りたいという睡眠欲求も、最初のノンレム睡眠で解消されます。最初の90分の睡眠の質を高めることで、すっきりと目覚め、日中をアクティブに過ごすことができます。