3年間の大流行(パンデミック)を経験し、私たちの健康の概念や生活様式に大きな影響を与えたCOVID19。マスク着用が個人の判断に委ねられ、5月8日より、2類感染症という脅威な感染症の位置づけから、季節性インフルエンザと同等の5類感染症へ引き下げられました。
今回の健康だよりでは、この引き下げが生活にどう影響するのか、感染時の対応の違いなどについて、特別号として情報をお届けいたします。
新型コロナウイルス感染症について再確認のうえ、体調管理を行ないましょう 。
マスクの着用、理解しておきたいポイント
◆3月13日から、マスクは個人の判断に委ねられた
「屋内でのマスク着用を推奨する」と行政から一律のルールを求められていましたが、「個人の主体的な選択を尊重し、マスクを着用するかどうかは個人の判断に委ねる」という方針に変わりました。
ここで大切なことは、コロナウイルス感染症は今も感染者がいる状態であり、高齢者など重症化リスクのある方への感染を防ぐという基本的なことは変わりがないということです。
◆マスク着用が推奨される4つの場面
- 医療機関受診時
- 高齢者など、重症化リスクが高い方が入院・生活する医療機関や高齢者施設への訪問時
- 通勤ラッシュ時など、混雑した電車やバスに乗車するとき
- 重症化しやすい方が、新型コロナウイルス感染症の流行期に混雑した場所に行くとき
満員電車で通勤をしたり、定期通院をしたりなど、私たちの日常生活の場面でもマスク着用は推奨されていますので、気にかけておくと良いです。
◆仕事をする際のマスク着用の考え方
マスク着用は個人の判断に委ねるとされていますが、業務上、感染対策をした方が良い場合、会社の判断のもと利用者や従業員にマスク着用を求めることがあります。働くうえでは、会社側の判断になるべく従っていくことも必要な時があります。
5類感染症に移行したことで何が変わるのか
◆5月8日から5類感染症に移行しました。5類感染症とは何でしょうか。
感染症は、その感染力と症状の重さで分類されています。例えば、最も重篤な1類感染症は、アフリカ近辺で発症するエボラ出血熱が代表的です。死亡率は90%に上るとされ、交通制限等の措置がされることもあります。
今まで新型コロナウイルスが分類されていた2類感染症は、1類感染症ほどではありませんが、感染力と重症度が高く、大流行(パンデミック)を起こす危険性が高いものと考えられています。感染力が高いために、施設の消毒や感染者の隔離など、しっかりと行わなくてはなりません。コロナ病棟、療養施設への隔離をしていたことは記憶に新しいことと思います。
では、今回5月8日に引き下げられた5類感染症はどういったものでしょうか。
毎年流行する季節性インフルエンザ、麻疹(はしか)、感染性胃腸炎といった聞き馴染みのある一般的な感染症がこれにあたります。国からの行動制限も求められないものとなるのです。
◆今までの対応と何が異なるのか
私たちが影響を受ける点は、5つあります。
1)幅広い医療機関で受診ができる
2類感染症の場合は、限られた医療機関で診察、入院対応が行われていましたが、これからは全ての病院で入院ができ、外来受診ができる医療機関も数万単位で増えました。(ただ、発熱外来との区分けが難しい施設では引き続き診察ができないことがあります)
2)公費負担が終了し、通常通り診察代がかかる
例年、夏に流行を迎えるため、高額な治療薬の公費負担のみ9月まで延長されますが、他の5類感染症と同様に、窓口での支払いが発生します。
3)療養期間や濃厚接触者の待機の制限がない
2類感染症であった時期は、7日間の療養期間、および5日間の濃厚接触者待機期間がありました。5類感染症に引き下がり、濃厚接触者として特定されることもなくなり、外出も個人の判断に委ねられることとなっています。しかしながら、症状があれば体はつらいものですし、感染力があることには変わりません。ご自身の体調回復はもちろんのこと、職場、家族、友人や重症化リスクが高い高齢者や持病をお持ちの方々を守るためにも、療養方法について各自の判断は大変大切なこととなります。
4)ワクチン接種の公費負担は継続されます
令和5年度も、引き続き自己負担がなく受けることができます。65歳以上の高齢者、5歳以上の持病を持ち重症化リスクの高い方、医療機関従事者は年2回、5歳以上の健康な方は年1回実施される予定です。
5)毎日の感染者全数報告が、週1回、発生動向として発表されるようになる
各都道府県や保健所から、毎日感染者数報告が発表されていました。5類感染症に移行してからは、定点的な観測となり、週1回木曜日に感染者数の傾向が公表される予定です。気になる方は、厚生労働省や各都道府県の保健所のホームページを参考にしていきましょう。
5類感染症に移行しても感染に気をつけていきましょう
私たちが3年間で身につけた感染対策は、「うがい、手洗い」を基本に、換気や距離を保つこと、感染者と部屋を分けるなど、様々あります。
5類感染症に移行したとしても、これらの基本行動は変わりません。
できる場面で引き続き実践していくことが、ご自身と大切な人たちを守ることにつながります。
感染した場合、対応は個人の判断に委ねるとされていますが、引き続き下記の対応が推奨されています。
〇発症日を0日とし、5日間が経過し、かつ解熱し症状が和らいでから24時間経過するまでは外出を控えましょう。
〇発症後10日間経過するまでは、マスクを着用し、周囲へ感染させない配慮をしましょう。
万が一ご自身や家族、お子様が感染した場合は、職場や学校に相談しながら、感染対策、療養ができるようにしていきましょう。
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執筆者プロフィール 齋藤/看護師
循環器専門病院にて約20年、看護師として勤務。看護師の経験を活かし、オンラインでの健康相談を延べ1万件の対応をしてまいりました。得意とする相談は、睡眠障害、メンタルヘルス、生活習慣病など。オンライン健康推進室では、コンテンツ作成、コラム執筆、チャット健康相談やオンライン面談などをしています。ぜひお気軽に、ご相談ください。