履歴書の自己PRの欄で、【前向き】や【楽観的】などとアピールしたことはありませんか?
ポジティブな言葉からは一般的に良い印象を受けますよね。では【後ろ向き】や【悲観的】はどうでしょう。
今月は、ネガティブ思考である方でも、その心理状態が意外とプラスに働く面もあるということをお伝えしたいと思います。
「防衛的悲観主義」とは?
「防衛的悲観主義」 という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは40年ほど前から心理学の分野で使われている概念です。
一般的に、ポジティブ思考=「必ずうまくいく」と信じて、うまくいった場面をイメージしつつ、努力を重ねて結果を出す」ということがよしとされています。
これに対し、
防衛的悲観主義は、物事を悪い方に考えて不安になることで、その状況を回避しようと努力し、結果的に成功につながるという考え方です。
「悲観する」ことのポジティブパワー
例えば、面接試験を受けなければいけない状況を想像してください。防衛的悲観主義者は、悪い方、悪い方に考えてしまい、『~と聞かれたらどうしよう』『頭が真っ白になってしまったら…』などと不安になり、失敗してしまう可能性を延々と考え続けます。しかし、ありとあらゆる失敗の可能性を想像した後、そうならないように綿密に対策を練って準備します。そして、本番を迎える頃にはしっかりした準備ができ、準備したことによる自信によって不安をコントロールし、面接で成功を収めるのです。そして、さらに興味深い研究結果があります。防衛的悲観主義者が悲観的に考えるのをやめると、逆にパフォーマンスが低下してしまうというのです。
無理にポジティブにならなくていい
自分はネガティブ思考だな…と悩んでいる方も多いかと思います。また、同僚や家族が悲観しているように見えると、もう少し前向きに考えよう!と声をかけることもあるでしょう。しかし、ネガティブ思考の方がいつもの悲観的な思考をやめたり、無理にポジティブに考えたりすると、裏目に出ることもあるのです。
ポジティブ思考が常に正しいわけではありません。状況への適応方法は人それぞれ。ネガティブ思考の方はネガティブなりの方法で物事を克服できます。そんな『ネガティブ思考』のポジティブ面を大切にして、自信をもって生きていきたいですね。
ちなみに、防衛的悲観主義の概念は、アスリートの世界でも活用されています。
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執筆者プロフィール 横山/保健師・公認心理師
臨床経験の後、行政での保健師経験の他、官公庁、民間企業にて産業保健に従事してまいりました。保健指導、健康相談、研修の企画、運営の他、メンタルヘルスの面談を数多く経験しています。
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