皆さんは、腰の痛みを感じたことはありますか?腰痛を抱える人は常に2~3割いるといわれ、多くの人が悩まされているようです。コロナ渦での在宅ワークで長時間座り続けることにより、さらに増えたとも言われています。また、腰痛によって約3兆円もの経済的損失(腰痛借金)が発生しているとの試算もあります。今日は、そんな腰痛にまつわる最新の情報をお届けします!
腰痛の新常識クイズ!
腰痛があるときは、とりあえず安静に!…これって正しいの?
明らかな原因(神経痛を伴う椎間板ヘルニア、腰骨の腫瘍や感染、骨折など)のない一般的な腰痛は、予防としても治療としても安静は薦められていません!(腰痛のほとんどが、一般的な腰痛とされています)
ぎっくり腰になってしまいました…。さすがにこれは安静が必要ですよね?
ぎっくり腰でさえも、安静を保ち過ぎるとその後の経過がよくないことがわかっています。お仕事を含む通常の活動をできる範囲で維持したほうがよいとされており、安静にする期間をできるだけ短くすることが薦められています。出社が辛い場合には、数日は軽作業にしてもらうかなども含め、上司や産業医に相談していけるといいですね。
レントゲンやMRIで調べたら、「腰に負担がかかっているから重労働を続けることはやめたほうがいい」と言われました…。育児やスポーツ、業務での作業などは、あきらめた方がいいのでしょうか?
あきらめた方がよいという医学的根拠はありません。腰痛と上手に向き合いながら、お仕事やスポーツ、育児やその他の趣味も前向きに続けていきましょう。腰痛は誰もが経験しうる症状で、残念ながら一度経験したら繰り返すことが宿命とされています。完璧な予防は難しいため、うまく付き合うという意識が必要です。
腰への負担を軽くすることがマストです!
一般的な腰痛については、前屈みで重いものを持った時の猫背になる姿勢や、座りっぱなしのデスクワークなどが大きな要因とされています。そんな蓄積された腰の負担を和らげる『これだけ体操』をご紹介します。お尻に手を当ててからのけぞることで、腰の筋肉をほぐすことが期待できます。
『これだけ体操®』
息を吐きながら3秒間、しっかり骨盤を押すだけです。
忙しい仕事や家事の合間にぜひ実践されてみてください!
※痛みがお尻から太もも以下に響く場合は中止し、医師にご相談ください。
正しい姿勢と腰痛予防の体操に関しては、こちらにも詳細に載っておりますので、参考にしてください。
理学療法士監修 忙しくてもできる!1日5分のケアで腰痛を解決!
ストレスも腰痛の原因に?本人、そして周囲のできること
仕事に支障をきたすような腰痛のある人が周りにいた場合、上司や同僚としてできることはあるでしょうか?実は、職場での人間関係のストレスや周囲のサポート不足、仕事のやりがいの低さ、腰痛に対する過剰な不安や恐れといった心理・社会面の要素も、腰痛の危険因子になっています。
周囲の人は、職場の雰囲気をよくして心理的安全性を高める、作業が辛そうな方がいたら声をかけるなど配慮する、上司も業務の負担感を把握するよう心掛ける、といった対応が考えられます。また、本人は、人間関係で悩んでいる場合は社内の窓口を利用する、業務の負担感が大きければ早めに上司に相談するなどの対応があります。他にも、ストレスについて紙に書き出すことで、客観視することができ、そこから気づきや発見があるともいわれています。周囲の人の思いやりや、本人のストレスへの対処が、腰痛の早期回復や予防につながるのです。
正しい姿勢や身のこなしで腰への負担は軽減されます。また、周囲のサポートや本人のストレスへの向き合いを変えることも腰痛予防につながります。この2つを意識しつつ、腰痛があっても日常生活をできるだけ変えずに快適に過ごしていきたいですよね。
出典:2021年7月 「産業保健スタッフのための新腰痛対策マニュアル」厚生労働省
執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
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