突然ですが、あなたは記憶力がよい方でしょうか?
記憶力があると生活する上で役立つことも多いのですが、マイナス面もあると思います。例えば、ある出来事で嫌な気持ちになると、その出来事を思い出すたびに嫌な感情も思い起こされるからです。
では、その嫌な感情を消してしまったら…?
今月はそんな『記憶の上書き』について見ていきましょう。
なぜ嫌な感情が思い起こされるのか
例えば、大勢の前で苦手なスピーチをして、うまく話せなかったケースで考えてみましょう。
『自分は人前でうまく話せない性格だ』と、その後も人前で話すことに苦手意識を持ってしまうことも想像できます。
これは、その体験によってマイナスの感情が固定化してしまった結果、事あるごとにその固定化されたマイナス感情が発動し、その先に苦手意識や、回避したいという思いが生まれるからです。
嫌な感情に囚われてしまい、うつ気分になったり、自己肯定感が下がったりすることもありえます。
そのようなことを防ぐため、「固定化さたマイナスの感情」は新しい意味付けをして上書き保存することをおすすめします。
新しい意味付けをする方法
上記の例で考えると、その体験で、
- 【うまく話せなかったこと】という事実は変えられませんが、
- 【人前でうまく話せない性格だ】という感情は上書きができます。
では、上書きするにはどうすればいいのでしょうか。
その事実をとらえ直し、ポジティブな意味付けをしていく作業が必要になります。
具体例をあげると、【事前に何度もイメトレして次のスピーチに備える】【緊張したときの自分なりの緩和策を考える】【話す内容を自分の得意分野にする】といった対処法を考える機会ととらえるのです。
さらに次のスピーチで自分なりにでも「克服できた!」という達成感を得られれば、【うまく話せなかったこと】自体が、この達成感を得るために必要だった、という意味付けをされたことになるのです。すると、うまく話せなかった経験を思い出しても、ネガティブな気持ちが思い起こされることは減ってきます。
他にも、あえて何度も思い出してとらえ方の再考をするということも有効です。
辛い作業かもしれませんが、思い起こすたびに不要な部分がそぎ落とされ、意味のある情報だけが残ることもあります。
終わり良ければすべてよし?
好きな著名人であっても、不祥事があると今までの良いイメージが塗り替えられ、上書きされてしまうことはありませんか?
後から新しい意味付けをされると、それ以前とは違った印象を受けるのが人の心のようです。
苦い体験もそれを克服するための糧と捉えて、自分の中でネガティブからポジティブな意味付けに変えて、気持ちよく日々を過ごしましょう!
執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
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