私たちは、仕事やプライベートといった生活の中で、常に何らかのストレスを抱えて過ごしています。
多少のストレスは生きるうえで必要といわれていますが、ストレスが起きた時に自分の限界を超えてしまうと、こころやからだに様々な不調を感じてしまいます。そのため、ストレスを上手に和らげて、対処ができることがとても大切です。
いくつかあるなかで、お勧めの方法をご紹介してまいります。今回は 、考え方のくせを知る方法についてです。
次回は考え方を変えてみる工夫についてもご紹介しますので、ぜひ試してみてくださいね。
「考え方のくせを知る」
人の考え方は、その方の育った環境や過去の経験から身についていき、同じ場面でも、「嫌なこと」「そうでもないこと」という風に、とらえ方は人それぞれ異なることが普通です。
過去の経験から無意識のうちに、毎回、似たような考え方や答えを導き出しており、いつも悲観的にとらえやすかったり、逆に楽観的にとらえたりします。
それを心理学的に「考え方のくせ」と呼んでいます。
ストレスを抱えやすい方は、「考え方のくせ」が影響しているかもしれません。
考え方のくせは、6つに分けられます。
具体的な場面を想像しながら、あなたはどう感じるか、試してみましょう。
あなたは、タスクを数個抱えながらお仕事をしています。そういったなかで、退勤間際に上司が話しかけてきました。
上司はあなたが作った資料について声をかけてきたようです。
上司:○○さん、先日作ってくれたこの資料、気になる点がいくつかあったから付箋を貼っておいたよ。
あなた:
(以下の6つから、思いつきやすい考えを選んでみましょう。)
①「自分の作った資料が、上司の役に立たなかったにちがいない」
②「その程度の修正なら上司がまきとり修正をするべきた」
③「上司はどうせ自分をいつも批判したいのだ」
④「上司は自分ができないやつと考えているに違いない」
⑤「不出来な資料を作ってしまい、上司に迷惑をかけた」
⑥「最初から修正のない資料を提出すべきだった」
いかがでしょうか、あなたは①~⑥のなかで、どういう反応をしたと思いますか?
過去の経験から無意識にとらえていることですから、直感的に選んでみてください。
では、考え方を選びましたら、実際にどういった考え方のくせがあるのか、以下の表であてはまるかみてみましょう。
①先読み思考… 他の理由を考え付かず、悲観的な予想をしやすい
②べき思考… こうしなければならない、と、自分や他人の行動を縛る考え方をしやすい
③思い込む、レッテル貼り思考… 自分の評価などに思い込みやレッテルを貼りやすい
④深読み思考… 相手の気落ちを一方的に推測して、心を読んだつもりになる
⑤自己批判… マイナスなことが起きると自分が原因と考えて、自分を責めてしまう
⑥白黒思考… 完璧にできなかった自分を責めて、良い悪いの2極で判断しがち
まずは自分の考え方のくせに気づくこと
いかがでしょうか。考え方のくせというのは偏りのことで、物事をバランスよくみられない要因になります。
一方で、良い面ももちろんあります。例えば、①先読み思考では、「自分の作った資料が、上司の役に立たなかったにちがいない」と考えやすい方は、どうすれば上司の役に立てるのか、と行動をすることもあるからです。
一方で、考え方のくせが強すぎると、ストレスを強く感じることが多くなっていきます。考え方の傾向がわかったら、少しその特徴を和らげる工夫をしてみると良いでしょう。
来月はそのくせに対処する方法として、「考え方を変えてみる工夫」をご紹介していきます。
執筆者プロフィール 齋藤/看護師
循環器専門病院にて約20年看護師として勤務。看護師の経験を活かし、オンラインでの健康相談を延べ1万件の対応をしてまいりました。得意とする相談は、睡眠障害、メンタルヘルス、生活習慣病など。オンライン健康推進室では、コンテンツ作成、コラム執筆、チャット健康相談やオンライン面談などをしています。ぜひお気軽に、ご相談ください。
毎日の元気と笑顔をサポートする健康情報をお送りします!
季節のトピックスや健康増進に役立つコラム・動画を定期配信しています。
「これならできそう」、「これを実践したら心地よさそう」と思えることがあなたに合った健康づくりのヒントを見つけるコツ!
できることから無理なく健康づくりを始めましょう!
バックナンバーはこちらからご覧いただけます。
気持ちが晴れない、なかなか寝付けないなどのお悩みも、ONLINE健康推進室では受け付けています。ぜひご利用ください。
看護師・保健師があなたのそばに。
ボタンをタップして、LINEで相談してみましょう!