前回のコラム【思考のクセを知る】メンタルケアの第一歩では、同じ出来事でもとらえ方は人それぞれであり、ストレスの抱え方もまた異なるというお話をしました。
自分の思考のクセを知ることが、メンタルケアをしやすくするポイントです。
いつもの考え方が自分のストレスを強めているとしたら、考え方を少し変えてみることはいかがでしょうか。
今回はメンタルケアの第一歩として【別の見方をする工夫】についてご紹介していきます。
「別の見方」を練習してみよう
「思考のクセ」とは、過去の経験から無意識に毎回似たような考え方や答えを導き出すことを指します。その考え方や答えに対して「怒り」「とまどい」「不安」などの感情が沸き起こり、ストレスを感じてしまうことも…。
例えば、上司が付箋を貼って資料の気になる部分を指摘してきたときに「その程度の修正なら、上司がまきとり修正をするべきだ」と感じたとします。
そうするとイラっとしますよね。このイライラが積み重なり、あなたは人間関係や仕事にストレスを感じるでしょう。
この考え方を少し変えてみることで、ストレスが和らぐと思いませんか?その方法は「別の見方」を練習してみることです。
これは心理学的にも効果があり、思考のクセが和らぎ、怒りや不安などマイナスな感情の割合が改善していきます。
別の見方とは?
今回ご紹介するのは「相手の立場で考えてみる」という方法です。
前回、思考のクセには6つのパターンがあるとお話ししました。このパターンに合わせて別の見方をご紹介しますね。
■場面:上司が付箋を貼って、資料の気になる部分を指摘してきた
①「自分の作った資料が、上司の役に立たなかったにちがいない」 【先読み思考】
➡上司はより良い資料を作るために付箋を貼ってくれたのかもしれない
②「その程度の修正なら上司がまきとり修正をするべきた」 【べき思考】
➡上司は少しの修正をする時間もなかったのかもしれない
③「上司はどうせ自分をいつも批判したいのだ」 【思い込み、レッテル貼り思考】
➡上司は直してほしいところをただわかりやすくしたかったのかもしれない
④「上司は自分ができないやつと考えているに違いない」 【深読み思考】
➡上司は付箋を貼るだけで私ができると期待してくれているのかもかもしれない
⑤「不出来な資料を作ってしまい、上司に迷惑をかけた」 【自己批判】
➡上司は修正するチャンスをくれたのかもしれない
⑥「最初から修正のない資料を提出すべきだった」 【白黒思考】
➡上司は私によりよい資料の作り方を教えてくれたのかもしれない
いかがでしょうか。少しでも陽気な気持ちになる表現で、上司の想いを「~かもしれない」と考えてみましょう。
このようにしてみるとイライラする気持ちから「頑張ろうかな」という風に感じる機会が増えるのではないでしょうか。上司への苦手意識が和らいだり、うつうつすることが多かった人も、見方の幅を増やすだけで気持ちが和らいでくるでしょう。
紙に書いて練習を
「別の見方」の練習はふとした場面で行ってみても良いですし、気になって辛かった出来事に対して、1日の終わりに時間を作って別の見方を考えてみることもひとつです。
そういった場合は、紙とペンを用意して書き出してみましょう。文字にして可視化することで、より理解が深まっていきます!
考え方を変えて今よりも楽に
今月は、考え方を変えてみる方法についてご紹介してきました。
同じストレスであっても、考え方を変えていくことで感情が変わっていきます。
日々避けては通れない『ストレス』ですが、受ける影響を和らげて気持ちよく生活していくために、うまく自分をコントロールしていきたいですね。
執筆者プロフィール 齋藤/看護師
循環器専門病院にて約20年看護師として勤務。看護師の経験を活かし、オンラインでの健康相談を延べ1万件の対応をしてまいりました。得意とする相談は、睡眠障害、メンタルヘルス、生活習慣病など。オンライン健康推進室では、コンテンツ作成、コラム執筆、チャット健康相談やオンライン面談などをしています。ぜひお気軽に、ご相談ください。
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