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要注意!オフィスワークでも起こり得る「エコノミークラス症候群」

2024/02/07
ヘルスアップ健康だより

遠方へのドライブや旅行をされるときなど、長時間同じ姿勢になることがありますよね。
そういった時に注意が事柄として「エコノミークラス症候群」が挙げられます。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
最近ですと、被災中に車中泊を続けるなど行動範囲が限られるときにも近しい症状が出ることがあるとして、避難生活が長期化する中で問題視されニュースにもなりました。 そこで今回の健康だよりでは、エコノミークラス症候群の原因や対策について解説をしてゆきます。

エコノミークラス症候群とは?

「エコノミークラス症候群」という呼び名は、飛行機などの狭い環境下で長時間じっとしていて急に立ち上がったときなどに発生しやすいことに由来します。
この名称が有名ではありますが、実はその原因は「肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)」という疾患が大きくかかわっています。
この疾患は場合によっては生命に危険が及ぶこともあるため、予防がとても重要です。
発生する主な原因にはさらなる疾患が関連しており、下半身の「深部静脈血栓症」という疾患が関わっています。

これは長時間足を動かさずにいることで、太ももの奥にある静脈に血栓(血のかたまり)ができることがあり、
動き始めた時に血栓の一部がはがれて、血液の流れに乗って肺の血管に引っかかり、肺の血管を詰まらせてしまうことで発生します。
肺の血管に血栓が詰まると息苦しさや胸の痛みが起き、時には心肺停止を引き起こすこともあります。

①どのようなときに起きるのか?

本来であれば足を動かすことによるふくらはぎのポンプ作用で血流が保たれていますが、
同一姿勢でいるとポンプ作用が弱く、血液の流れがゆっくりになることで血液が停滞しやすくなることが関わっています。

多くのケースでは長時間の寝たきりや座ったままなどの同一姿勢でいる時など足の血液が停滞するときに発生することが多いです。
身近なところでは、自動車の長時間運転や海外旅行での飛行機搭乗、6時間を超える長時間のデスクワークなどもリスクが高い状況の一つです。

特に寒い冬の時期は乾燥や寒暖差が血栓症の引き金にも…!
空気が乾燥すると体から水分が奪われますが、冬場は夏場ほど意識して水分を摂取しないため脱水傾向になり、血液が粘り気のある状態になります。
また、気温が下がると体温を維持するために、血管が収縮して細くなり血流が滞ることで血栓のリスクが上がりやすいため注意が必要な時期です。

②どのような方がハイリスク群になるのか?

もともと血行が滞りやすい、脱水を起こしやすい背景をお持ちである方は、エコノミークラス症候群のリスクが高い場合があります。
リスクが高いと挙げられるのは以下に該当する方々です。

  • 生活習慣病に該当する方(高血圧・脂質異常症・糖尿病・心疾患など)
  • 肥満傾向の方
  • 喫煙者の方
  • 妊娠中、出産直後の方
  • 高齢者の方
上記以外にも、近日中に長時間の同一姿勢で居続ける機会が複数あった方や、大きな手術を受けたばかりの方なども注意が必要です。

エコノミークラス症候群を防ぐためには?

エコノミークラス症候群は予防が可能であり、セルフケアの実践がとても大切です。
同一姿勢でいる機会がある場合には以下のポイントを意識して行動をしましょう。
  1. 水分補給はこまめに行うこと
  2. カフェインやアルコールは脱水を助長するためできるだけ控えること
  3. 体を締め付けるような服装は避け、ゆったりした服を着用すること
  4. 眠るときは足を軽く上げること
  5. 胸の痛みや息苦しさ、足の過度なむくみなど兆候が出たら早めに医療機関に相談すること
  6. 4~5時間に1回は散歩や足のマッサージ、ストレッチなどを行うこと
◇おすすめの足の運動


☆厚生労働省 「エコノミークラス症候群予防のために」 より引用

◇動画でポイントを押さえたい方はコチラ!

「座ったままできる!」ふくらはぎを動かして脚のむくみ解消エクササイズ

長時間の移動や同一姿勢、オフィスワークなどの環境下では、一定時間を経過したら下肢を動かし、ポイントを意識して血液の循環を良くしましょう!

ご質問やご相談などありましたら、健康相談チャットを気軽にご利用ください。

執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
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