私たちは、年齢と共に徐々に眠れる時間が短くなることがわかっています。
一方で、長く眠ることが健康であると思い込んでいると、睡眠時間が短いことに焦りを感じ「眠れない」ために長く眠ろうと頑張ってしまう方が多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、「睡眠時間と睡眠休養感の違い」「睡眠時間と床上時間の違い」を知り、何が健康に寄与するのかをご紹介します。
年齢と共に減少する眠れる時間
脳波を用いた研究では、思春期は約8時間前後、20代は7時間、40代では6.5時間、60代では6時間という風に、20年ごとに30分程度の割合で睡眠時間が減少するそうです。
睡眠には少なからず個人差があります。内服薬や持病、メンタルの状態等によっても睡眠の状態が変化することが一般的です。
睡眠の質を反映する睡眠休養感
睡眠時間が睡眠の量をはかるものであれば、睡眠休養感は睡眠の質を反映しています。
朝の目覚めが良く、疲労感が解消されており、夜間の睡眠で休めたという感覚が得られているかどうかが大切です。
睡眠休養感は、睡眠障害の治療においても睡眠が充足している指標として参考に用いられています。
睡眠時間と睡眠休養感の関係性
成人では睡眠時間が長く朝の睡眠休養感がある場合、死亡リスクを下げる効果がありますが、一方で睡眠時間がある程度短くても、睡眠休養感が確保される場合には死亡リスクの増加はみられないという結果もあります。睡眠休息感はいかに大切かということを示しているでしょう。
また、労働世代に比較して時間に余裕がある65歳以上の高齢世代では、床上時間が長く、かつ睡眠休養感が欠如している場合に死亡リスクが増加することが示されています。
元来年齢とともに睡眠時間が短くなるものの、長く眠ることを意識しすぎた結果、布団の中で過ごす時間が増加することで不眠を招いたといえます。
むしろ睡眠休養感を低下させ、健康を損なう可能性が高まってしまいます。このため、高齢世代では、睡眠時間よりも床上時間を意識して睡眠時間を設定するのが良いでしょう。
例えば、眠たくなったら布団に入る、日中は横にならないといった工夫もひとつです。
ぜひこちらの記事も参考にされてくださいね。
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睡眠時間と床上時間の違い
さらに説明を加えますと、夜間に床の上で過ごす時間(床上時間)は、20〜30歳代では7時間程度ですが、45歳以上では徐々に増加し、75歳では7.5時間を超えることがわかっています。年齢とともに、眠れないけれど布団でゴロゴロとする時間が増えていくことを示しています。
このゴロゴロは、不眠を感じる以下のような症状を招きます。
- 寝つくまでに長く時間がかかる
- 途中で目が覚める時間(回数)が増える
- 熟眠感が減る
床上時間が長いことは眠りの質が低下することを示しています。
睡眠時間は実際に眠れている時間であり、床上時間はゴロゴロした時間も含めたものと理解してください。
例えば、23時に就寝し、6時に起床するとします。しかし、実際は午前1時くらいまでは寝付けずに布団にいるとしましょう。
見かけ上、7時間の睡眠がとれていますが、実際の睡眠時間は5時間である、ということです。
睡眠時間が睡眠の量をはかるものであれば、睡眠休養感は睡眠の質を反映しています。
あなたの睡眠時間と睡眠休養感は、いかがでしょうか?
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