あまりよく眠れない、寝ても疲れがとれていない。いびきがうるさくて、家族が寝室を別にしてしまった。こういった経験がある方はいらっしゃるでしょうか。
いびきの原因は喉の狭さです。息を吸う時に狭くなった喉を空気が通過するために、振動していびき音が発生します。
特に、夜は眠っているために筋肉が緩くなることで余計に喉が狭くなり、いびきが生じます。
そして、喉が狭くなる理由は他にもいくつかあります。
日本人はもともと顎が小さい人が多いために、肥満・飲酒・睡眠薬の服用でいびきが出やすくなります。
このほか、扁桃が腫れている、かぜや鼻水で鼻が詰まる、鼻中隔という鼻の骨が曲がっているということも挙げられます。
放っていてもよいいびきと、注意が必要ないびき
お酒を飲んだ時や風邪をひいたときのいびきは心配ありません。一方で、慢性的な睡眠不足を感じている方で、毎日いびきをかいているケースは注意が必要です。
これは、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性も示唆します。
睡眠時無呼吸症候群とは
平成15年、山陽新幹線運転士が、乗務中の居眠りが原因で270キロの速度で8分間走行し、停車駅手前でATCが作動し緊急に停止した事故がありました。
これをきっかけに、睡眠時無呼吸症候群という名前が広く知れ渡ることとなりました。
このほかにも、首都高湾岸線でトラックがワゴン車に追突し死者が発生したり、長距離運転のツアーバスが防音壁に追突する大事故などが発生し、現在は国土交通省が中心となって、自動車運送業に対する睡眠時無呼吸症候群への対策が取られるようになっているほどです。
では、睡眠時無呼吸症候群は何が原因でしょうか。
その多くは、加齢によって喉の筋力が低下することに加え、肥満によって喉が狭くなることが理由となっています。
さらに、女性は妊娠でお腹が膨らみ、血液量をふやすためにむくんだ状態になっていますが、これが理由になることもあります。
また、閉経によって女性ホルモンが低下することでも発症する、ということがわかっています。なぜ女性ホルモン減少により発症するかは明らかではありません。
いびきが気になる方の受診のポイント
いびきをよくかく方は、受診をして異常がないか確認しておくと安心です。
受診科は耳鼻咽喉科・呼吸器内科です。病院によっては、「いびき外来」「無呼吸外来」といった名称で、睡眠時無呼吸症候群を専門として扱っているクリニックもありますので検索してみましょう。
もしもいびきがひどかったら、こちらのセルフチェックも活用!
セルフチェックをしてみましょう。
もし以下の状況になったとしたら、どのくらいうとうとする(数秒〜数分眠ってしまう)と思いますか?
以下の状況になったことが実際なくても、その状況になればどうなるかを想像してお答え下さい。
合計点数を求めてください
◎11点以上の場合
睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。精密検査を受けることをお勧めします。呼吸器内科、睡眠クリニックなどの受診を検討しましょう。
◎10点以下の場合
睡眠時無呼吸症候群の可能性は低いですが、睡眠時のいびきや無呼吸を指摘される方は、医療機関にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群の治療
医療機関では、就寝時に利用する器械をお勧めされることがあります。
これを、CPAP(シーパップ)とよび、機械で圧力をかけた空気を鼻から送り込み、気道を広げて無呼吸を防止するという治療法です。これを使うことで、各段に睡眠の質が改善するというケースも多いといわれています。
いかがでしたでしょうか。いびきが隠れた病気や、仕事のパフォーマンス低下につながっていると思いもよらなかったかもしれません。ここで改善してみようとお感じになる方は、ぜひ健康相談もご利用いただきながら、受診を検討していきましょう。
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