こんにちは。
皆様は、フローレンス・ナイチンゲールをご存知でしょうか。一度は聞いたことがあるかもしれませんね。
ナイチンゲールはイギリスの看護師として、クリミア戦争で活躍しました。看護師でありながらも、社会起業家、統計学者、看護教育学者でした。歴史上で初めて、看護を科学的に分析し、看護の定義を書籍にした人物です。その功績に感謝し、国際看護師協会はナイチンゲールの誕生日である5月12日を「国際看護師の日」と定めました。
ナイチンゲールの書籍「看護覚え書き」は19世紀のものですが、現在のメンタルヘルスにつながる要素がたくさんあります。
この書籍のなかで言われている大切なこととして、私たちは心身が病んだとしても「自然に回復する」能力が備わっており、そのための環境を整えてあげることが最大限に必要なことだといいます。
ナイチンゲールの教え
新鮮な空気、光り、暖かさ、清潔さ、静けさなどが適切に整えられ、食事内容を選択し適切に与えること
これは環境への気配りで、清潔に保たれた部屋、空気で療養することの大切さを説いています。
換気は部屋の空気を入れ替えて衛生的に良くするということだけではありません。外の空気により新鮮な気分になり、外の光を感じ、音を聴くことがとても大切であることを説いています。
ずっと室内にいるわけではなく、外の世界とのつながりをもち、外に戻れるように希望をもつという意味合いもあると、ナイチンゲールは考えていました。
私たちも実際にこころが辛い時、カーテンをあけ、陽の光をあび、換気をしてリフレッシュを図ると、とても気持ちが軽くなる経験をしたことがあるのではないでしょうか。
そして、戦争で負傷した患者の身体的な治療だけでなく、患者の心の健康にも焦点をあて、心の安定が全体の回復に欠かせないのだとわかっていました。
ナイチンゲールの言葉をかりると、「変化」だそうです。
気分が鬱々とし、からだの調子が悪い時には、私たちはこころも生活も「閉じこもる」傾向にあります。
ナイチンゲールは、コミュニケーションの大切さも強調し、人との対話、気持ちを表現することが治療の一環であると考えていました。
これは、現代で言われる心理学の「カタルシス効果」にあたります。
カタルシス効果とは、ネガティブな感情を表現することで安心感を得ることを言います。
私たちは人間関係や身体的な苦痛などに直面すると、少なからず抑うつや不安などの症状が生じ、心にもダメージを受けます。
その心のダメージを「悪いこと」と考えて、他人に相談せずに抱え込んでしまう人もいます。
カタルシス効果とは、辛さや悲しみなど無意識のうちに抑え込もうとしている心のダメージを表現することで、身体的な苦痛や人間関係の辛さなども軽減する効果があります。いわゆる、「話をして楽になった」という感覚を得ることです。
1850年代のナイチンゲールは、すでにこのように健康やメンタルケアについて考えられていたのですね。
みなさまも、5月の素晴らしい気候に触れ、陽の光を浴び、誰かに声をかけてみましょう。400年経った今も受け継がれる心のケアをぜひお試しください。
執筆者プロフィール 齋藤/看護師
循環器専門病院にて約20年看護師として勤務。看護師の経験を活かし、オンラインでの健康相談を延べ1万件の対応をしてまいりました。得意とする相談は、睡眠障害、メンタルヘルス、生活習慣病など。オンライン健康推進室では、コンテンツ作成、コラム執筆、チャット健康相談やオンライン面談などをしています。ぜひお気軽に、ご相談ください。
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