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寝だめで寿命が決まる?健康で長生きできる睡眠のとり方~最新版~

2024/05/15
睡眠睡眠コラム

毎日忙しくされている方ほど平日は睡眠時間を削り、週末にまとめて「寝だめ」をして睡眠不足を補っているという方も多いのではないでしょうか。
ところが、寝だめで眠りを「ためる」ことはできず、更には心身に多大な影響を及ぼします。

寝だめが心身に及ぼす悪影響と、健康で豊かな毎日を送るための正しい睡眠のとり方についてご紹介します。

休日の寝だめでからだは「時差ボケ」状態に

慢性的な睡眠不足(睡眠負債)を解消するために、休日に「寝だめ」をすることで就寝・起床の時間に平日と休日とでずれが生じます。
国際的には週末の眠りの取戻し(Weekend catch-up sleep)と呼ばれ、毎週末に時差地域への旅行を繰り返すことに類似していることから、「社会的時差ボケ(Social Jetlag:ソーシャル・ジェットラグ)」とも呼ばれます。

寝だめは寿命短縮のリスクがある

社会的時差ボケは、慢性的な睡眠不足による健康への悪影響と、体内時計のズレが生じることによる健康への悪影響の2つの側面があり、肥満や糖尿病などの生活習慣病の発症リスク、脳血管障害(脳梗塞、くも膜下出血など)や心血管系疾患(不整脈、心筋梗塞、心不全など)の発症リスク、うつ病の発症リスクとなることが分かっています。
更に40歳~60歳の成人を対象とした近年の調査では、平日6時間未満の睡眠時間の人は休日の寝だめで寿命短縮リスクが高まり平日6時間以上寝ていても休日に2時間以上の寝だめがある人は寿命短縮リスクがあることが報告されています。
このように、寝だめが寿命を縮める危険性があることがエビデンスで示されたのです。

毎日の睡眠が未来のあなたの健康を創ります

良い睡眠とは、朝目覚めたときにしっかりと休まった感覚(睡眠休養感)のある睡眠をいいます。睡眠休養感を得るためは、睡眠の量・質・リズム(睡眠パターン)が維持されていることが重要です。休日の寝だめを防ぎ、翌朝すっきりした状態で元気に活動するためにも、まずは毎日しっかりと睡眠時間を確保することを心がけましょう!

良質な睡眠を得るために、今日からすぐに実践できるポイントを以下にまとめましたので、是非ご参考ください。

「未来の健康をつくる」睡眠3ステップ
STEP①:朝
  • 適正睡眠時間は6~9時間。睡眠休養感を大切に。
  • 朝起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びて体内時計をリセットしましょう。
    セロトニン(幸せホルモン)が分泌され、夜にメラトニン(快眠ホルモン)に変化し入眠を促します。
  • 朝から昼にかけての食事はタンパク質をしっかり摂りましょう。
    朝食をとることで体温が上昇し、よく噛むことで体と脳が目覚めます。
    アミノ酸の一種であるトリプトファンがセロトニンの分泌を促し、糖質(ご飯・パン等)を一緒に摂ることでその効果が高まります。
こちらの記事も参考にしてください。


●2つのホルモンと朝の光ですっきり目覚めよう


STEP②:昼

  • 20分程度の短い昼寝は午後の眠気改善に有効です。
  • スケジュールを調整できる人は大事なことは「午前」に行い、午後の脳の興奮を抑えましょう。
  • 夕方の適度な運動は自律神経を整え、程よい疲労感で夜の快眠を促します。

 

STEP③:夜

  • 夕食は就寝の2~3時間前に摂り、お酒は正しく嗜むのが吉◎。
    夕食を摂らないとオレキシン分泌が亢進します(食欲増加、覚醒レベル亢進)。
    オレキシンは脳の視床下部(食欲中枢)で作用する食欲や睡眠、体内リズムなどに関わる神経伝達物質です。空腹時に作用が高まることで、眠りの妨げになります。
  • 就寝の90分位前に、ぬるめのお風呂にゆっくり入浴しましょう。
    深部体温が一度上がり、体温が下がると自然な眠気が起こります。
  • 就寝の1時間前はリラックスタイムです。
    部屋の照明を暗くする、家族との団欒、ストレッチ、読書、リラックス系娯楽(音楽、アロマオイル・キャンドル等)をぜひ取り入れて夜の神経へ切り替えを。寝る30分前からはスマホやテレビも消してゆっくり過ごしましょう。
  • 昼間のネガティブ体験や仕事の計画など、悩みは寝床に持っていかないように。
    寝る直前は「ポジティブ体験」を思い出して、ハッピーな気分で眠り心地よい朝を迎えましょう!

皆さん、すでに実践されていることもありましたでしょうか?
睡眠は「その日の疲れをとるため」だけではなく、「明日により良く活動するため」、ひいては「健康で長生きするため」にとても大切な役割を担っています。
過去のコラムにも良い睡眠を得るためのヒントを多く掲載していますので、ぜひ正しい情報を積極的に取り入れてみてくださいね。皆さんが良い睡眠で豊かで幸福な人生を送れることを願っております。

寝だめの健康影響については、下記コラムにも詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。


●寝だめで睡眠不足は補えるの?~ソーシャル・ジェットラグに注意~

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