夏の訪れとともに蚊の季節も到来しますが、皆さんは蚊に刺されることで発症する病気があることをご存じでしょうか?
平成26年、デング熱の国内感染がありました。また現在、中南米を中心にジカ熱が流行しています。
これらの病気を防ぐためには、感染症を媒介する蚊であるヒトスジシマカ(通称:ヤブ蚊)を減らし、刺されないように対策することが重要です。
そこで今回は、蚊の生態と対策についてご紹介します。自分と家族の身を守るためにも、ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
ヒトスジシマカの生態
- 活動時期は5月中旬~10月下旬
- 庭や公園の樹木や下草に隠れて、そこに来る人を待ち伏せている
- 活動時間帯は主に日中で、昼間に屋外で活動している人が刺されることが多い
夜間に家の中に入ってくる蚊は、イエカ類がほとんどです。
イエカは、デング熱、ジカ熱を媒介しません。
蚊の成虫の寿命は約1か月で、吸血するのはメスの蚊だけ。
メスの蚊は、産卵のための栄養源として吸血をします。成虫の間に3~4回吸血と産卵を繰り返し、卵、幼虫(ボウフラ)、サナギの間は水中で暮らします。
ヒトスジシマカの完全攻略のカギは「屋外」に!
蚊は水たまりがあればどこでも発生します!
蚊の対策を行う場合は、成虫の防除より幼虫(ボウフラ)が発生する水たまりを除去する発生源対策が最も有効です。雨水が溜まった容器は逆さにし、雨水が溜まる空き缶などを捨て、不要な水たまりをなくしましょう!
ため池などでは、幼虫(ボウフラ)を食べる金魚やメダカを飼うことも効果的とされています。
自宅で発生源になりやすい場所と対策
- 空き缶・空きビン・ペットボトル
➡ 撤去する
- 植木鉢の受け皿
➡ 週1回水を入れ替える
- ペットの水飲み容器
➡ こまめに洗う
- 古タイヤ
➡ カバーをかける
※たまった水に塩をコップ半量入れるのも効果あり
- ブルーシートのたるみ
➡ たるみを無くす
- 木・石のくぼみ
➡ 充てん剤で埋める
- つまった側溝・雨どい
➡ 清掃してつまりを除く
ヒトスジシマカをブロック!快適な夏を過ごすための簡単テクニック
まずは蚊を家に入れない、そして外出時の対策を!
- 雑草や植栽の定期的な刈り取りで風通しを良くして蚊の生息場所を減らし、蚊の侵入を防ぐために網戸を設置しましょう。
- 外出時は服装に注意し、肌の露出を控え、必要に応じて虫よけ剤などを使用しましょう。
小さなお子さんには、虫よけ剤を吸い込まないように、ローションタイプを手で塗ってあげると良いでしょう。スプレータイプの場合は、大人がいったん自分の手にスプレーしたものを塗ってあげるのが良いですよ。 ※虫よけ剤の持続時間に要注意!
- 外室内では必要に応じで蚊取り線香、電気蚊とりなどを使用しましょう。
- 妊婦の方の場合、ジカウイルスに感染すると、胎児もジカウイルスに感染し、小頭症など脳の発達に障害が出る事例が発生しています。妊婦の方の流行地への渡航は、できる限り避けてください。
- ハーブには虫除けの働きがあるものもあります。レモングラス、シトロネラ、ユーカリ、レモンユーカリ、ペパーミント、ラベンダーの香りは蚊を寄せ付ない効果があると言われています。キッチンやリビング、鉢植えの辺りや庭に置くのもおすすめです。
ヒトスジシマカに刺された!そんなときは・・・
蚊に刺されてしまった時は、落ち着いて以下の3つの対処をしましょう。
- 刺された患部を清潔にする
傷口から雑菌が入らないようにできるだけ早く、きれいな水で洗い流し、消毒をして清潔を保ちましょう。
- 患部を冷やす
冷却することで炎症を抑え、かゆみや痛み、腫れなどの症状を和らげることができます。患部はなるべく掻かないようにしましょう。
- 早めに薬を塗る
患部を清潔にした後は、すぐに塗り薬を塗布しましょう。薬は「ムヒ」など市販のもので大丈夫です。外出する際、必要に応じて虫よけスプレーとともに携帯しておくと安心ですね。
改善が見られない場合、必ず「皮膚科」を受診してください。
デング熱、ジカ熱に感染すると、発熱、頭痛、筋肉痛や節々の痛み、皮膚の発疹などの症状がおこるため、このような症状がある場合には「内科」などの医療機関を受診する必要があります。
血液検査をおこない、ウイルスに対する抗体を調べることで診断します。
デング熱、ジカ熱の治療薬は特にないため、点滴などの対症療法が中心となります。後遺症が残ることはほとんどないと言われています。
ここまでご覧いただいた皆さんは、ヒトスジシマカの生態と対策についての知識を十分に得ることができたことと思います!
対策をしっかり行うことで、夏の楽しみをより一層引き立てることができますね。
快適で安全な環境で、ご家族やご友人とともに夏の楽しいひとときを満喫しましょう!
執筆者プロフィール 千葉/保健師・公認心理師
消化器内科病棟にて看護師としての経験を活かし、保健師兼公認心理師として、働く皆様の健康と心のサポートを担当しています。皆様が「あなたらしく」健康を維持・増進できるよう、一人一人の声に耳を傾け、適切なアドバイスを提供し、日々の生活がより良いものになるよう努めています。何か悩み事があれば、気軽にご相談ください。
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