みなさま【熟眠】と聞くと、どういう睡眠をイメージしますか?
寝つきがよく十分な時間を確保しているなど、みなさまの思う【熟眠】は様々かもしれません。
実は熟眠感は起床時の爽快さで判断されます。
朝目が覚めた時に「ああ、とっても良く眠れたなぁ。今日も一日頑張ろう」という感じが【熟眠感】とされていますが、あなたの熟眠感はどうでしょうか?
目覚めの快適さを点数化しましょう
あなたのここ1か月間の熟眠感を可視化しておきましょう。いまの睡眠状態を客観視しておくことは重要です。
最も理想的な点数は1~2点です。私たちは、前日の疲労は睡眠でしか癒せないからです。
快適さが足りない3点は、睡眠問題があることを示していますので、早急な見直しが必要です。
4~5点は、日常生活のパフォーマンスが低下し、辛い状況に置かれている可能性があります。医療機関で睡眠障害の相談をすることも検討してください。
睡眠に影響を及ぼす嗜好品
様々な要因が睡眠に影響を与えますが今回は「カフェイン、アルコール、喫煙」の3つの嗜好品に注目しましょう。
①目が覚めるカフェイン
- カフェインの覚醒作用
カフェインには覚醒作用があります。
カフェインの摂取量が増えるほど深い睡眠が減少し、中途覚醒が増え、総睡眠時間が短くなるという研究結果があります。
またカフェインは、むずむず脚症候群※や睡眠時の歯ぎしりなど、睡眠障害を引き起こすリスクがあるとも報告されています。
※(夕方から深夜にかけて、下肢を中心として、「ムズムズする」「痛がゆい」「じっとしていると非常に不快」といった異常な感覚が出現し睡眠が妨げられる病気です )
- カフェインの影響が続く時間
カフェインの血中濃度が半減するまでには個人差があり、一般的には3~7時間かかります。
夕方以降に100mg以上のカフェインを摂取すると、寝つきが悪くなり中途覚醒が増えることが分かっています。
たとえば血中濃度が半減するまでに5時間かかる場合、昼食後の15時に200mg(ドリップコーヒー2杯)のカフェインを摂取すると、20時には体内に残っているカフェインは100mg程度になります。
そして、24時にはまだ50mg以上のカフェインが体内に残っていることになります。
眠気覚ましにコーヒーなどを好む方もいると思いますが、良質な睡眠の確保の観点からは、カフェインの摂取総量を減らすとともに、夕方以降はカフェイン含有食品・飲料の摂取は控えることが良いでしょう。
茶葉(チャノキ)にもカフェインは含まれるため、茶葉を使用していない麦茶、そば茶、その他カフェインを含まないハーブティーなどに置き換えるのもひとつです。
夕食後の温かい緑茶も、カフェインが含まれていますから、麦茶などに置き換えてくださいね
② 寝酒は逆効果。アルコールの影響が大きい
- 寝る前のアルコールの影響
アルコールは睡眠の前半では深い眠りをもたらします。寝つきが良く感じるため寝る前にお酒を飲む方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、睡眠の後半では睡眠の質が著しく低下し、飲酒量が増えると中途覚醒の回数が増えることが報告されています。
- アルコールの問題点は何か?
アルコールは分解されアセトアルデヒドという物質に変換されます。
アセトアルデヒドは強い交感神経刺激作用を持ちます。また、大量(0.75g/kg以上)のアルコール摂取は深い眠りのレム睡眠を著明に減少させることがわかっています。
- アルコールには依存性がある
アルコールは依存や耐性つくります。また、離脱作用によってアルコールを飲まないとよく眠れない状態になります。
もし眠るためにお酒を飲むのなら、睡眠薬を使用する方が健全です。
③タバコは目が覚める
- たばこに含まれるニコチンの覚醒作用
ニコチンの血中半減期は約2時間ほどあり、夕方の喫煙であっても、眠る前までその作用が続いています。
さらに、喫煙者は非喫煙者と比較しても、入眠困難・中途覚醒・睡眠時間の減少、熟睡感がなく、日中の眠気も強いことが報告されています。
喫煙者がたばこを控えると、不安・抑うつ・不眠などの離脱症状が現れることがあります。
「たばこを吸っていても、吸っていなくても睡眠が悪化する」という状態に陥る可能性がありますから、喫煙しないことが望ましいです。
近年は加熱式たばこや電子たばこも普及していますが、これらに含まれるニコチンも睡眠に同様の影響を及ぼします。
たばこの量を減らしているつもりでも、睡眠への影響は変わらないため、部屋にいる他の人々の健康にも配慮して禁煙をおすすめします。
周囲の健康と良質な睡眠のためにも、嗜好品の見直しを検討してみてくださいね。
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