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【交流分析②】心の栄養「ストローク」、あなたは足りていますか?

2024/09/11
ヘルスアップ健康だより

秋の涼しさを感じる日もありますが、残暑をまだまだ感じる頃合いですね。
前回のコラム【交流分析①】3つの自我と人間関係では、人には「3つの私」の部分があり、この3つがどのように働いているかによってその人柄や人間関係の交流の仕方が決まっていることをお伝えしました。
今回のコラムでは、交流分析の中でも人の心理的な健康と幸福感に大きな影響を与える「ストローク」について解説いたします。

「ストローク」とは生きるために必要な「心の栄養」です

交流分析においてストロークとは肌の触れ合いやほほ笑み、愛情ある関わりなど、「あなたという存在を認めているよ」という存在認知のメッセージであり、自分という人間(人格)を形成するための「心の栄養」でもあるといわれています。
身体の健康を維持するために様々な栄養を食事から摂取するように、心の健康を保つためには「ストローク」という栄養が必要です。

ストロークは大きく分けて「肯定的ストローク」「否定的ストローク」の2種類があるとされています。
中でも人が求めているのは、「あなたのことが好き」、「君はうちのチームになくてはならない存在だ」など、相手の存在に対して送られる無条件の肯定的ストロークです。
人は肯定的ストロークを受けることによって自尊感情が高まり、前向きに生きていけるという自信を得ることができます。

ストロークは「ブーメラン効果」があることを意識しましょう

日本には「人こそ人の鏡」ということわざがあり、自分の目に映る他人の言動は、自分の心を写す鏡のようなものである。とされています。
皆さんも一度はこのことわざを聞いたことがあるのではないでしょうか?
ストロークにおいても同様の考え方がされており「おはよう」、「お疲れさま」、「よく頑張ったね」など、肯定的ストロークを送るよう心がければ、肯定的ストロークが返ってきやすく、
「ダメ!」、「また失敗したの?」、「・・・(無視)」など、否定的ストロークを送ることが多いと、否定的ストロークが返ってきやすいといった傾向があります。

ですので、職場でも家庭でも「ほめる、ねぎらう、感謝する、笑顔を向ける」などのコミュニケーションを出し惜しみせず、肯定的な無条件ストロークをしっかりたくさん送りましょう。
ブーメラン効果で職場・家庭など周囲の環境全体が心明るく元気になり、そこからストロークの輪が広がります。

尊重し合う気持ちで、お互いに肯定的ストロークを重ねてゆこう

私たちは生まれてから、母親・父親などの家族や周囲の人達からの愛情・様々な経験を通して「私はOK、あなたもOK」というお互いを尊重しあう人間の基本的な構え方を体感的に身につけてゆきます。
親や周囲の人たちから肯定的ストロークを受けることで、「自分は存在していい」という自尊心を築いてゆくのです。
肯定的ストロークを受けることで自己肯定感が高まり、同じように自身から肯定的ストロークを返すことで、対人関係が良いものになることを成長する過程で自然と学んでいきます。
例えばですが、職場で上司に「今日のプレゼン、良かったよ!」と褒められたり、「〇〇さん、ありがとう!」と周囲の人に感謝されたりすると、嬉しい気持ちになりますよね。

肯定的ストロークを自発的に行うことは円滑な人間関係の土台構築に繋がるといわれています。
普段のコミュニケーションにおいて「あなたを信頼している」、「君ならできるよ」など、肯定的ストロークで相手の存在をしっかり認める発信を行い、親密で協働できる温かい人間関係を築いていきましょう。

ストロークの出し方を意識すれば、人間関係を豊かにできる

自分がどのような人生を歩んでゆきたいか、人間関係を築きたいのかは自ら選択できるものです。
自分自身のストロークの授受の方法を意識すれば人間関係も変えることができます。

「あなたを信頼している」、「君ならできるよ」など、肯定的ストロークで相手の存在をしっかり認めてゆきましょう。
また、 否定的ストロークも、「同じミスはくり返さないよう、気をつけて」など、相手の行為・行動に対する条件付けを明確にした上で教育的に伝えるように心がけましょう。

ストロークの送り方を変えていくことで、周囲からも同様のストロークが増え、
職場でも家庭でも温かなコミュニケーションが生まれていきますので、少しずつでも意識されてみてくださいね。

今回は「交流分析」について2回に分けてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
自分の3つの自我状態のパターンを知り自己理解を深めること、そして肯定的ストロークを他者と重ねることで、あたたかな人間関係を築くことができます。
皆さんにとって、本コラムが人生をより豊かにしていただけるヒントになれば幸いです。

人間関係で悩まれている時は、ONLINE健康推進室の相談窓口もぜひご利用ください。

執筆者プロフィール 千葉/保健師・公認心理師
消化器内科病棟にて看護師としての経験を活かし、保健師兼公認心理師として、働く皆様の健康と心のサポートを担当しています。皆様が「あなたらしく」健康を維持・増進できるよう、一人一人の声に耳を傾け、適切なアドバイスを提供し、日々の生活がより良いものになるよう努めています。何か悩み事があれば、気軽にご相談ください。
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