疲れがたまったとき、季節の変わり目、急激な気圧の変化があったとき…様々な場面で頭痛が発生するかと思います。
頭痛があると仕事や生活への影響も大きく、できるだけ不快な症状を早く和らげたいところですよね。
症状を和らげるために使用する「鎮痛薬」。実はこの鎮痛薬の飲み過ぎが新たな頭痛を引き起こす可能性があるんです。
そこで今回は健康相談窓口でもよく投稿いただく「薬物乱用頭痛」について、わかりやすくお伝えします!
薬物乱用頭痛とは?
薬物乱用頭痛とはその名前の通り、頭痛薬を頻繁に使用することで、かえって頭痛が慢性化してしまう状態のことを指します。
正式には「薬剤の使用過多による頭痛」と呼ばれており、症状は主に明け方や起床時に発生しやすいです。
緊張型頭痛・片頭痛どちらの頭痛タイプでも発生する可能性があり、頭痛の部位がバラバラであったり、痛みの種類が締め付けるような時もあれば、ずーんと重くなるなど多岐にわたることも特徴です。
発生メカニズムについては未だ不明な点も多いとされていますが、鎮痛薬を過剰摂取することで、脳の中枢神経内で痛みに対する感受性が変化し、痛みに過敏になることが関連しているとされています。
また長期間の内服は頭痛を複雑化させ薬の効きが悪くなり、症状を和らげるためにさらに追加内服するという悪循環も関連しています。
「また痛くなるかも…」といった不安感情から薬への依存傾向が強くなってしまうことも問題の1つです。
薬物乱用頭痛の原因
発生する原因は主に内服約の内容や飲み方が関係しているとされ、以下内容が影響している事が多いです。
- 市販薬(NSAIDs:イブプロフェン ロキソプロフェンなど)の過剰摂取
- 片頭痛の処方薬であるトリプタン製剤(イミグラン、ゾーミッグ、マクサルトなど)の過剰摂取
- カフェインを含んだ薬と上記①・②の薬を3か月以上併用して内服いる
市販薬でも処方薬でも
「あらゆるタイプの鎮痛薬内服で発生する可能性がある」ということを覚えておきましょう!
このような状態が続いていたら要注意!
速やかな病院受診を
冒頭でお伝えしたように普段から頭痛が起きやすい方は、痛みが発生したとき以外にも予防的に内服をされる方も多く、薬への依存が強くなる傾向があります。
もし、以下のチェック項目に複数該当する場合には、内服している鎮痛薬の影響で頭痛が強くなっている可能性もあるため、一度「頭痛外来」「脳神経内科」「脳神経外科」といった頭痛を専門的に診てもらえる病院を受診しましょう。
□月に15日以上頭痛が発生する
□月に10日以上鎮痛薬を内服する日がある
□鎮痛薬を規定量内服しても頭痛の治りが悪い(効きが悪い)
□朝方・起床時に頭痛が起きやすい
薬物乱用頭痛の治療法・セルフケアとは?
薬物乱用頭痛の治療法
薬物乱用頭痛を改善するには、
基本的に「原因となった鎮痛薬の使用をやめる」ということが治療の第一選択になります。
ただし、鎮痛薬の使用をやめると
2~10日ほどは「離脱症状」という内服をやめたことによっておきる強い頭痛症状が続くとされています。
強い頭痛が起きすぎないよう移行期間は離脱症状による影響を減らすために、徐々に内服量を減らしていくことも多く、原因となる製剤以外の薬剤に変更しながら経過を見るなど
定期的なモニタリングがとても大切です。
医師の指示の下で適切に管理することで、徐々に頭痛の強さ・発生回数が減少していくため、自身で判断するのではなく
医療機関で正しく治療を受けましょう!
薬物乱用頭痛のセルフケア
薬物乱用頭痛は内服のコントロールが最優先ですが、その期間中は「頭痛を誘発しない工夫」を並行して行うと安心です。
基本的な内容ではありますが、以下のセルフケアを無理のない範囲で実践しましょう。
-
アルコールやたばこを控える
→薬物乱用頭痛による症状を増悪させるといわれています
- 適度な運動・ストレッチなど体を温める行動を行う
→血行不良が頭痛を誘発することがあるため、適度に体を動かすことがおすすめです 。
手軽にできるストレッチをご紹介しますので、隙間時間にぜひお試し下さい。
- 睡眠時間をしっかり確保する
→睡眠時間が7時間以下になると薬物乱用頭痛が誘発されやすいとされています
- ポリフェノール、チラミンを多く含む食品を控える
→赤ワイン、チョコレート、チーズ、レバーなどは頭痛を誘発しやすいとされています
その他のセルフケアや対策が知りたい、など気になることやご相談などありましたら健康相談チャットを気軽にご利用ください!
執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
毎日の元気と笑顔をサポートする健康情報をお送りします!
季節のトピックスや健康増進に役立つコラム・動画を定期配信しています。
「これならできそう」、「これを実践したら心地よさそう」と思えることがあなたに合った健康づくりのヒントを見つけるコツ!
できることから無理なく健康づくりを始めましょう!バックナンバーはこちらからご覧いただけます。
ご質問やご相談など、健康相談をお気軽にご利用ください。相談方法の詳細はこちらからご確認いただけます。
看護師・保健師があなたのそばに。
ボタンをタップして、LINEで相談してみましょう!