運動とがんリスクの関係性とは?
皆さんは日々の忙しさに追われて運動する機会がない!と感じることはありませんか?
仕事が忙しくあっという間に一日が終わってしまい、運動する時間がとれないことも時にはあますよね。
そのような毎日でも、ちょっとした運動を取り入れることで健康に大きな影響を与えることが分かりました。
2023年に発表されたオーストラリアのシドニー大学の研究にて
「仕事終わりの夜や土日などに余暇時間に運動習慣がある人は、がんのリスクを最大で32%減らすことが分かった」
「運動習慣がある人は運動不足の人に比べてがんのリスクが低く、特に乳がん、大腸がん、肺がん、そして胃がんなどの発症リスクが低減する」
と発表がありました。
また、米国国立衛生研究所からは
「主に40歳以上の方で余暇時間に積極的に身体活動を行っている人は、ほとんど体を動かさないでいる人に比べ、平均寿命が最大で4.5年も延びる」
という研究も発表されています。
これらに示された【運動はがん予防に有効である】という結果については、以下のメカニズムが関係していることが分かりました。
- 免疫力の向上:運動によって免疫系が活性化され、がん細胞の早期発見や排除が促進される
- ホルモンバランスの調整:運動によりエストロゲンやインスリンなどのホルモン分泌が調整され、これにより、ホルモン依存型のがん(乳がん、前立腺がんなど)のリスクを抑えることが期待できる
- 体重コントロール:肥満によって脂肪組織が増えると、大腸がんや乳がんを引き起こすリスク因子が増えることがあるため、余暇時間の継続的な運動は重要な予防手段となる
運動を行うことはさまざまながんの予防に有効性があり、総体的にとても大事という事が分かりますね。
予防のために推奨される運動とは?
厚生労働省の【健康づくりのための身体活動基準】にて18歳以上の成人は目安として「週に150分程度の中強度の運動を行うこと」が推奨されています。
これは1日あたり約30分のウォーキングに換算することができますが、忙しく運動時間が取れない…という場合は、家事や仕事の合間にこまめに体を動かすことでも効果は得られます!
前回の運動コラムでも少しご紹介しましたが「中強度の運動」を身体活動を表す単位【メッツ】で表現すると、
【3メッツ以上の活動】が「中強度の運動」定義されておりますので、以下の運動もご参考ください♪
これらの運動は
【1日の中で合計30分以上行うこと】が推奨されますので、まとめて時間が取れない場合は15分ずつ…など小分けに運動してみましょう!
・3メッツ : 普通速度のウォーキング、電動アシスト付自転車、ボーリング
・4メッツ : 少し早歩きのウォーキング、階段昇降、卓球、自重の筋肉トレーニング
・5メッツ : ジョギング、野球、バレエ、サーフィン、バトミントン
効果的な有酸素運動
ウォーキング・ジョギングなどの有酸素運動は、心肺機能を向上させ全身の代謝を活発にします。
さらに有酸素運動は脂肪燃焼を促進し、肥満予防と同時にがんのリスクを減少させることも期待できますので、余暇時間に積極的に行っていきましょう!
運動時間が取れない場合は家事や仕事の合間にこまめに体を動かすことでも効果は得られますので、移動は徒歩や自転車を使ったり、階段を使うなどの意識ができると良いです♪
今日はちょっと疲れているので、軽めに運動したいときは…「HIIT(優しめ)」
しっかりガッツリと全身を動かしたいときは…「HIIT(高負荷)」
オススメの筋肉トレーニング
高負荷の筋肉トレーニングによって分泌される「マイオカイン」というホルモンは体内の炎症を抑える作用や免疫機能を向上させる働きがありますが、それに加えて近年の研究では、がんの増殖が抑えられる可能性も報告されています。
特に大きい筋肉である「太もも」や「体幹」を鍛えることが推奨されますので、実践していきましょう!
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