皆さんは、日々の生活で「ストレス」という言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか。
特に、現代社会においては情報が溢れ、常に忙しい状態が続きやすいため、ストレスが避けられないものだと感じる方も多い現状です。
過度なストレスや長期間にわたるストレスは心身に悪影響を与え、健康に害を及ぼすこともあるため注意が必要です。
今回のコラムでは、ストレスと上手に付き合うための基礎知識について改めて解説いたしますので、ぜひ参考にしてくださいね。

「ストレス」とは?
まず、ストレスとは何かを簡単におさらいをしましょう。
医学や心理学の領域では、こころや体にかかる外部からの刺激を「ストレッサー」と言い、ストレッサーは大きく分けて以下のように分類されます。
・物理的ストレッサー:騒音、気温の変化、病気など
・心理的ストレッサー:怒り、焦り、孤独感など
・社会的ストレッサー:人間関係、役割への葛藤、社会的な評価など
上記のようなストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応を「ストレス反応」と呼び
ストレッサーによって引き起こされるストレス反応は、心理面、身体面、行動面の3つに分けることができます。
ストレス反応の3分類
①身体面:肩こり、胃痛、動悸、睡眠障害など
②心理面:不安感、抑うつ気分、怒り、無気力など
③行動面:遅刻・早退の増加、ミスの頻発、対人回避、過食・拒食など
これらの症状は体が「戦う」または「逃げる」準備を整える自然な反応ではありますが、この反応が過度に続くと身体的・精神的な不調を引き起こす原因となるため、ご自身に発生している変化をしっかりとキャッチすることが大切です。
一過性のものか、ケアが必要かの目安は諸説ありますが、ストレス反応が2週間続く場合にはストレスが慢性化して生活に支障が大きく出る場合があるとされます。
ですので、心身の調子に違和感を覚えたら速やかに「心療内科」や「内科」を受診するようにしましょう。
受診に迷ったら?
病院受診については症状の程度や継続期間で判断することが多いですが、自分の今の状態は重症なのか?様子を見てよいのか?なかなか判断がつかないこともあるかと思います。
そういった場合には、会社内の健康管理室や産業医に相談する、会社で契約している外部相談窓口を利用し、医療の専門家に相談するなどし、今後の対応を検討できると安心です。
「まぁ大丈夫だろう!」が積み重なり、ふと気が付いたら症状が進行していた…という事がないよう、ご自身だけで判断せず周囲の資源を積極的に活用していきましょう!
ストレスとの上手な付き合い方
~コーピングのすすめ~
ストレスの基(ストレッサー)にうまく対処しようとすることを「ストレスコーピング」といい、心身の健康を維持するには以下2つのストレスコーピングを状況に合わせて上手に実践することが重要とされています。
◯問題焦点型コーピング:ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとすること
対応例)
・対人関係がストレッサーである場合:相手の人に直接働きかけて問題を解決する、仲介してもらえる人に相談する、など
・仕事の量や質などがストレッサーである場合:上長や同僚に相談し、業務調整や配置を見直す
◯情動焦点型コーピング:ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとすること
対応例)
・対人関係がストレッサーである場合:相手への自分の考え方や感じ方を変える、信頼できる友人や家族に気持ちを話す
・仕事量や質がストレッサーである場合:体のパフォーマンスを整えるために、音楽を聴いたり趣味に没頭することで気分転換する
ストレスを我慢するのではなく
「うまく逃がす」工夫を行うことが重要ですので、後述するコーピングを始めるポイントを参考にオリジナルの対策を今のうちからしっかりと考えていきましょう!
【コーピングを始める第一歩】
自分のストレスを「見える化」してみる
自分に合ったコーピング実践の第一歩は、自分のストレス状態を正しく「自覚」することであり自分に合った方法を知る手段として「気づき日記(コーピング・ダイアリー)」がとても有効です!
「気づき日記(コーピング・ダイアリー)」では、次のようなことを書き出します。
・その日にあったストレスを感じた出来事(例:会議で意見が言えなかった)
・そのときの気持ち(例:緊張、悔しさ、不安)
・どんな対処をしたか(例:深呼吸した、同僚に話を聞いてもらった)
・その結果どう感じたか(例:少し落ち着いた、気持ちが整理できた)
こうした記録を続けることで、自分にとって効果的なコーピングが見えてきます。
毎日出なくても構いませんので、これから対策を始めようかな…という方はぜひ「気づき日記(コーピング・ダイアリー)」を実践してみてくださいね。
最後に…
ストレスを完全にゼロにすることは難しいかもしれませんが、上手にコントロールすることで、私たちはより健やかに生活することができます。
◎ストレスの仕組みを知る
◎自分のストレス反応に気づく
◎自分に合ったコーピングを見つけ、実践する
◎必要に応じて、専門家に相談する勇気を持つ
こうした積み重ねが、心の健康を守る鍵となりますので少しずつ意識して対策を行っていきましょう。
実践するにあたって気になることやご相談などありましたら、健康相談チャットを気軽にご利用ください。
執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
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