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夏季に増える“かくれ脱水”の見逃しサインと重症化予防とは?

2025/08/06
ヘルスアップ健康だより

皆さん、こんにちは。ONLINE健康推進室です。
本格的に夏を感じる暑い日々が続きますね…この時期は、私たちの体からいつも以上に水分が失われやすい季節です。
特に出勤や外出の移動等で汗をかく機会が多いはたらく世代にとっては「脱水」が体調不良や集中力低下の原因になることも珍しくありません。

脱水症状は「喉が渇く」などのわかりやすいサインだけでなく、
一般的に気づきにくいとされる「かくれ脱水」の状態で進行していることも近年増えているとされています。
今回は、そんな“かくれ脱水”の特徴と見逃しやすいサイン、そして重症化を防ぐための具体的な予防法を解説いたします!

隠れ脱水とは?

「隠れ脱水」とは、喉の渇きやだるさといった明確な症状がなくても、体内の水分量が不足している状態を指します。
私たちは通常、喉の渇きを感じてから水分を補給しますが、この感覚はすでに体内の水分が失われ始めているサインであり、隠れ脱水は「さらにその手前の段階」で進行していることがあるため注意して観察することが重要です。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)では【体液量の2%以上の減少は疲労感や身体能力の低下・パフォーマンス低下につながる】ということを強く警告しています。
人間の体液量は体重の約60%を占めており、体重50kgの方であれば体液量は約30リットルとなりますので、「600ml」ほど体液が発汗や排便・排尿・呼吸等で奪われると、パフォーマンスが大きく低下するという事が分かりました。
「600mlの水分喪失」といわれてもイメージが付きづらいこともあるかもしれませんので、皆さんの身近な状況で、汗や呼吸・排泄等でどれくらい水分を失うのかをまとめました!
以下内容を、ご参考ください。

  • 炎天下の屋外で10分歩く:約100ml
  • 日常生活(1日):約2500ml(そのうち約900mlは発汗や呼吸で失われる)
  • オフィスワーク(8時間):座っているだけの状態で約400ml
  • 入浴(およそ40~41℃のお湯に7~10分):約400ml
  • 睡眠(8時間):約500ml

身近な生活習慣・行動で想像しているより水分が失われていると思いませんか?
夏は気温が高いことから上記の量より水分喪失量が増えやすいとされますので、この後ご紹介する隠れ脱水サインや対策をぜひご参考くださいね♪

要チェック!隠れ脱水のサインとは?】

脱水の代表的な症状は『のどの渇き、だるさ、めまい、頭痛、口の乾燥』といったものが挙げられますが、今回はその手前の段階である【隠れ脱水】を特に見つけやすいとされる2つのサインをご紹介いたします。

①爪を押してセルフチェック!『ブランチテスト』
  1. 手の親指の爪を、他の指でつまんで5秒間ほど圧迫します。
  2. 指を離したときに、白くなっていた爪の色が、ピンク色に戻るまでの時間が『3秒以上かかる場合』は末梢循環不全による隠れ脱水の可能性があります。


厚生労働省:働く人の今すぐ使える熱中症ガイドより

②尿の色でセルフチェック!
体内の水分量が不足すると腎臓が水分を再吸収しようとするため、尿中に含まれるウロビリンという物質の濃度が高くなって、尿の色が濃くなる傾向があります。
「今日は少し暑いな…なんだか体調がすっきりしないな…」という時は尿の色を確認してみましょう!
以下画像を参考に水分摂取量も調整してみてくださいね。


厚生労働省:働く人の今すぐ使える熱中症ガイドより

実践!隠れ脱水の発生や重症化を予防しましょう

  1. 『のどが渇く前に』こまめな水分補給
    特に大切なこととして「のどの渇き」が出てから飲むのではなく、30分~1時間に一回程度の小まめな水分補給ができるとより安心です!
    最近ではスマートフォンアプリで、体重や活動量から目標水分摂取量を算出して、飲むたびに記録することで進捗を可視化し通知してくれる「水分摂取トラッカー」というアプリがありますので、こういった最新の技術を活用していくことも良いですね♪
  2. 摂取する「水分」の選択が重要
    通常は、水やお茶(カフェインの少ないもの)を基本とし、利尿作用を促すとされる糖分の多い清涼飲料水やジュースを避ければOKです。
    ただし大量の汗をかいたり、暑い環境下での活動においては、水だけでなく電解質(ナトリウム、カリウムなど)も同時に失われますので、上記セルフチェックで隠れ脱水が疑われた場合は、水と電解質、そして少量の糖質がバランス良く配合された『経口補水液』を摂取しましょう。
    注意として、経口補水液は一般的な飲料より電解質量が多いとされ、普段から飲むには電解過剰摂取となるので、あくまで予防や体調不良時の一時的な使用に留めましょう。

脱水症状や熱中症の症状が強く出てしまった時の対策や救急車を呼ぶポイントは以下コラムでまとめてありますので、コチラもぜひご参考くださいね。
★熱中症救急搬送が毎週700人を超える!~今からが重要。熱中症対策🥵~

上記以外でもONLINE健康推進室では、皆さんがいきいきと毎日を過ごし、健康でお仕事に取り組めるよう様々な情報発信、相談対応を行っています。
脱水の対策やそれ以外の健康に関連したご質問やご相談などありましたら、健康相談チャットを気軽にご利用ください。

執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
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