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咳が1か月以上続いています

2025/11/26
ヘルスアップよくある相談

皆様、こんにちは。ONLINE健康推進室です。
季節の変わり目や冬の訪れとともに、風邪をきっかけとした咳症状が続く方が増えています。
風邪はもう治ったのに、咳だけがなかなか止まらない…。1か月くらい、毎日咳が出てつらい…。
そんな経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。
“長びく咳”には様々な原因が潜んでいる場合もあるため放置は禁物です。
今回のコラムでは、1か月ほど続く咳の主な原因・対処法、そして受診の目安や適した医療機関について、解説をしてまいります。

1か月以上続く咳とは?

医学的に「咳」が続く期間によって以上のように分類され、1か月くらい続く咳は「遷延性咳嗽」に該当します。
3週間以上症状が続く場合は単なる風邪だけでなく、ほかの原因が隠れている可能性も考え、対処を検討していきましょう。

急性咳嗽(きゅうせいがいそう):3週間未満
遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう):3~8週間未満
慢性咳嗽(まんせいがいそう):8週間以上

 

主な原因はなに?

  1. 咳喘息や感染後咳嗽
    風邪やインフルエンザの治りかけに、気道粘膜の敏感さだけが残って咳だけが続くケースがよくあります。
    これは「感染後咳嗽」「咳喘息」などと呼ばれ、数週間から2か月程度続く場合があります。
    夜間や明け方、話すとき、冷たい空気を吸ったときなどに咳が強くなることが特徴です。喘息の前兆やアレルギーの関与も指摘されています。
  2. 後鼻漏(こうびろう)・鼻炎・副鼻腔炎
    鼻水がのどに流れ落ちたり、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎(蓄膿症)があると、無意識のうちに咳が出やすくなります。
    この場合「痰が絡む」「のどに違和感がある」ことが特徴になります。
  3. 気管支喘息
    大人になってから発症することもある気管支喘息。
    息苦しさが目立たない“咳が主症状”型もあります。咳が夜間や早朝に悪化しやすい場合は注意が必要です。
    とくに呼吸器系は副交感神経が優位な臓器です。そのため、就寝中など副交感神経が活発な時間に喘息がおこりやすいという特徴があります。
  4. 胃酸逆流(逆流性食道炎)
    胃からの酸がのどに逆流し、刺激となって咳が続くことがあります。(特に就寝中発生することが多いです)
    胸やけ・こみ上げ感・声がれなどが同時に出る場合、逆流性食道炎の可能性があるため、この場合は消化器内科に受診し、胃薬を用いて症状をコントロールすることが多いです。
  5. 喫煙や環境要因
    たばこや埃、職場の粉じん、冷暖房による乾燥なども慢性的な咳の原因です。
    気になるときはマスクをつけることもひとつです。
  6. その他(重大な病気)
    稀に感染症(肺結核・百日咳)やCOPD、肺がん、心不全、薬剤性(降圧剤の副作用)なども原因になります。
    長引く・急に悪化する・血痰を伴う咳には特に注意が必要です。

対処法・日々の工夫

まずは下記のようなセルフケアを試してみましょう。
  1. 乾燥を防ぐ
    室内加湿やマスク着用でのどの粘膜を守る。
  2. こまめな水分補給
    温かい飲み物でのどや気道を潤す。
  3. 刺激物(タバコ・香料・ホコリ)を避ける
    環境を整え、咳の悪化要因を減らす。
  4. 寝るときは上半身を少し高くして寝る
    後鼻漏や逆流性食道炎にも効果的です。
  5. 市販の咳止めは注意
    漫然と使い続けるのではなく、症状や体調に合うものを薬剤師と相談して選びましょう。
これらでも改善しない、または徐々に悪化する場合は、我慢せず受診が必要です。

受診の目安と受診先は?

こんなときは早めの受診を!
  • 咳とともに「発熱・息苦しさ・胸の痛み・血痰・体重減少」がある
  • ぜんそくや肺の持病がある
  • 市販薬で改善しない・悪化傾向がある
  • 明らかなきっかけがないのに咳が長引く
どの診療科を受診すればいい?
  1. 内科(かかりつけ医)
    風邪・感染症・咳喘息・鼻炎・胃酸逆流など、総合的な初期評価ができます。
  2. 呼吸器科・耳鼻咽喉科
    咳が主症状なら呼吸器科、鼻やのどの違和感・痰・声がれがあれば耳鼻咽喉科がおすすめ。
  3. 必要に応じて専門医に紹介してもらう
    初診先で原因が特定できない場合や、重い病気が疑われる場合は大きな病院・専門医紹介がなされます。

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まとめ

何気なく「風邪が長引いているだけ」と思いがちな咳も、3週間以上続く場合は注意が必要です。
さまざまな生活習慣や基礎疾患、アレルギー、環境因子だけでなく重大な病気が隠れている可能性もあります。
自分でできるケアをしつつ、「少し変だな」と感じる時は早めに受診を検討しましょう。
辛い咳が続くときは、一人で悩みすぎず、お近くの医療機関へ気軽に相談してみてくださいね。

執筆者プロフィール 齋藤/看護師
循環器専門病院にて約20年看護師として勤務。看護師の経験を活かし、オンラインでの健康相談を延べ1万件の対応をしてまいりました。得意とする相談は、睡眠障害、メンタルヘルス、生活習慣病など。オンライン健康推進室では、コンテンツ作成、コラム執筆、チャット健康相談やオンライン面談などをしています。ぜひお気軽に、ご相談ください。
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