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若年層にも増加する帯状疱疹!
患者が増えている原因・ワクチン接種の最新動向とは…?

2025/12/03
ヘルスアップ健康だより

皆さん、こんにちは。ONLINE健康推進室です。
「体の片側にピリピリとした痛みが走り、その後、赤い発疹や水ぶくれができた…」という経験はありませんか?
帯状疱疹は、50歳以上の方に多い病気として知られていますが、近年20代~40代の比較的若い世代でも患者数が急増し、社会的な問題となっています。

今回のコラムでは「なぜ若年層にも帯状疱疹が増えているのか」その原因と症状、重篤な合併症の危険性について詳しく解説します。
さらに、最新の研究で分かったワクチン接種による副次的なメリットや、予防接種の公費負担の最新動向など、予防に関する重要な情報をお届けします!

帯状疱疹とは?

帯状疱疹は子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルスが原因で起こります。
実はこのウイルスは水ぼうそうが治った後も体の神経節に潜伏するという特性があるのをご存知でしたでしょうか。
通常であれば体の免疫力によってウイルスは抑え込まれていますが、風邪を引いたり、睡眠不足・疲労の蓄積などで免疫力が低下した際にウイルスが再び活動を始め、神経に沿って強い痛みと発疹を引き起こすのが『帯状疱疹』です。
若年層における患者増加の背景
従来の「加齢による免疫力低下」だけではなく、特に働く世代で患者が増加している背景には、以下のような現代の社会環境が深く関わっています。

① 慢性的なストレスと過労による免疫抑制
帯状疱疹の最大の引き金の一つは免疫力の低下ですが、仕事や人間関係による慢性的なストレスや睡眠不足・過労はコルチゾールなどのストレスホルモンを過剰に分泌させ、免疫システムを弱体化させます。
この状態が長期化すると、年齢に関係なく潜伏していたウイルスが再活性化するリスクが大幅に高まります。

② 水痘ウイルスへの接触機会の減少
水ぼうそうの既往歴がある成人は日常的に水ぼうそうウイルスに接触することで、無意識のうちに免疫がブースト(再活性化)され、帯状疱疹の発症を抑えてきました。しかし、現代は衛生環境の改善や子どもへの水痘ワクチン接種の普及により、自然な免疫獲得の機会が減少した結果、若い世代でも免疫の再活性化が起こりにくくなり、帯状疱疹が発症する件数が増えていると考えられています。

ワクチン接種、公費負担の最新動向

免疫低下や加齢に伴いウイルスが再活性化することによって帯状疱疹は発症するため、ワクチン接種は原則として 50歳以上の方が接種対象となります。
しかし2023年6月から、既往症・治療中の持病により「帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方」 にも適応が拡大されました。
また、これまでは帯状疱疹ワクチンは任意接種(原則自己負担)でしたが、予防接種法に基づく定期接種の対象に厚生労働省の方針により『2025年4月1日より、帯状疱疹ワクチンは予防接種法に基づく定期接種(B類疾病)の対象となる』ことが決定しました。
これにより、主に以下の通りに制度が変わります。

◆定期接種の対象者
【注意点】公費負担による定期接種で予防接種受ける機会は生涯で1回のみとなり、対象年齢になる年度のみ受けることができます。機会を逃さないようにご注意ください!
【対象年齢】当該年度に65歳を迎える方
※2025年から法改正されたため、経過措置として2025年度から2029年度までの5年間の間に『70、75、80、85、90、95、100歳』となる方も対象となります。
◆接種費用
定期接種の対象者は、原則として公費負担(費用の一部または全部が自治体負担)で受けられるようになります。

残念ながら若年層はワクチンの公費負担には該当しませんが、重症化予防・長期的な健康維持のためにワクチン接種が重要視されているという事が分かりますね。

早期受診が大切です!~症状に気づいたら~

帯状疱疹の治療は【発症後72時間以内に抗ウイルス薬を服用すること】が重症化や神経痛を防ぐための最も重要なカギとなります。
以下の症状複数該当することがあれば、若い世代の方でも「疲労のせいかな?」など自己判断せず、すぐに「皮膚科」か「内科」を受診しましょう。

□体の『片側だけ』にピリピリ、チクチク、ズキズキといった強い痛みや違和感が発生する
□痛みが出た数日後、その部位に赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れる
□目、おでこ、耳の周辺など、顔面に発疹が現れる
□発疹や痛み・違和感が非常に強く、夜も眠れないほど日常生活に支障が出ている
□皮膚症状に伴って、発熱や頭痛、倦怠感が強く、全身の体調不良が発生する
※特に目やおでこなど顔面に症状が出た場合、視力や聴力に深刻な影響が出る可能性があり、緊急性が高いとされますので、速やかに受診をしてください!

若い世代にも発症する帯状疱疹は治療が必要な病気です。
日頃から十分な休息と栄養をとり免疫力を維持するとともに、体の異変を見逃さず、早期の対応で健康を守りましょう!
上記以外でもONLINE健康推進室では、皆さんがいきいきと毎日を過ごし、健康でお仕事に取り組めるよう様々な情報発信、相談対応を行っています。
健康に関連したご質問やご相談などありましたら、健康相談チャットを気軽にご利用ください。

執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
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