皆様こんにちは。ONLINE健康推進室です。
いよいよ12月。この時期、多くの人が1年間の業務や人間関係、家庭、健康面などについて振り返るのではないでしょうか?
その際、「反省」や「後悔」、「もっとできたはずなのに…」と思う場面も増えがちです。
ただ、過剰な自己批判は不安や憂うつにつながり、心身の健康にも悪影響を及ぼしてしまうため、少しずつでも心を整えられると安心ですよね
今回のコラムでは、以前ご紹介した『セルフコンパッション』について振り返り、具体的な活用事例などもご紹介します。
本コラムを参考に、前向きな気持ちで一年を締めくくりましょう!

セルフコンパッションとは?
セルフコンパッションは「自己への思いやり」と訳されます。「失敗や困難に直面した時、自分を慰めたり勇気づけたりする」行動です。
これは「甘え」や「言い訳」とは違い、誰にでも持っていて当たり前の感情です。
米国の心理学者クリスティン・ネフ博士によると、セルフコンパッションは以下の3要素から成り立っています。
- 自分への優しさ
- 人間共通の悩みへの理解
- マインドフルネス
失敗や悩みは誰にでもあるもの。人は皆、知らないところで悩みを抱えています。
悲しい気持ちを無理に抑えこまず、「今は辛いんだ」「泣いてもいい」と、その感情を受け止めましょう。
もし、友人が同僚が失敗や苦しみの中にいるとき、責めたりするでしょうか。皆さんは温かい言葉で励ましたり、受け止めてあげたりしていませんか?
ご自身に対しても、つらかったね、頑張ったね、大丈夫だよ。と声をかけてあげましょう。
心が感じていることをありのまま受け止めてあげてみてください。 自分を受け入れられるのは自分自身です。
こちらの記事で、わかりやすく紹介しています。ぜひご覧ください。
▶自分のことを思いやっていますか?自己肯定感を上げるための「セルフコンパッション」

一年を振り返る時こそ意識したい理由
年末は「また失敗した」「期待に応えられなかった」と自分に厳しくなりやすいですが、セルフコンパッションを意識することで、「頑張れたこと」「良かったこと」にも目を向けることができます。
「来年またチャレンジしよう」と自分に声をかけることで、前向きな気持ちに切り替えられます。
マイナス面ばかりでなく、日々乗り切ったことや小さな成長・周囲への感謝の気持ちを思い起こす時間を持つことをおすすめします。
この時期にお勧めなセルフコンパッションの活用事例
具体的なセルフコンパッションの活用事例をご紹介します。日常生活の場面を思い浮かべてみてくださいね。
- 仕事での活用事例
事例:営業職のAさんは、本年の業績を振り返ると、思ったよりも獲得した商談数が少なかったと指摘され、強いストレスを感じていました。
セルフコンパッションの活用
Aさんは「自分なりに、しっかりと頑張った」と自分に声をかけ、一年頑張って活動した自分を責めるのをやめました。
すると、業績の伸ばし方を再検討する方向に気持ちを切り替えることができ、次の仕事へのモチベーションに繋がりました。
- お子さんをサポートする場面での活用事例
事例:中学3年生のBちゃんは、テストの結果が悪く落ち込んでいました。年明けには受験も控えており、合格なんてできない、とあなたの前で泣いていました。
セルフコンパッションの活用
あなたは、「失敗は成長のチャンス」と伝え、Bちゃんも「努力した自分を認めよう」と切り替えたことで、自己否定感が減り、前向きに勉強しようという気持ちになりました。
- 子育て中の方の活用事例
事例: Cさんは、仕事と家事・育児があり、思うように子供に声掛けができずに自分を責めていました。
これからお正月休みだと思うと、身体が休まらないと不安ばかりが募ります。
セルフコンパッションの活用
Cさんは「どんな親も完璧ではない」「多少家事がおろそかでも生活はできるものだ」と意識し、自分の努力を認めるよう心がけました。
気持ちにゆとりが生まれ、少し休息を取ることを意識するようになり、お子さんとお正月を落ち着いて過ごせるようになりました。
簡単な事例ではありますが、毎日の皆様の場面で、このように少し発想を転換することで、取り入れられることも多いです。
来年への希望につなげる
セルフコンパッションの効用は、今年一年の疲れを癒やすだけでなく、新しい年への前向きな気持ちづくりにも役立ちます。
自分に優しくし、これまでの努力や挑戦を労うことで、自然と新しいことに向かうエネルギーが芽生えてきます。
「できなかった部分を責める」のではなく、「できたことを認め、また一歩進めばいい」という心の習慣が大切です。
周囲と比べて落ち込むのではなく、自分の歩みをしっかり認めてあげること。忙しさに埋もれてしまう前に、一度立ち止まって、自分自身に「今年も頑張ったね」と声をかけてみませんか。
この一年の振り返りが皆さまにとって、セルフコンパッションを高めるきっかけとなることを願っています。 どうぞ、心穏やかな年末と新年をお迎えください。
執筆者プロフィール 齋藤/看護師
循環器専門病院にて約20年看護師として勤務。看護師の経験を活かし、オンラインでの健康相談を延べ1万件の対応をしてまいりました。得意とする相談は、睡眠障害、メンタルヘルス、生活習慣病など。オンライン健康推進室では、コンテンツ作成、コラム執筆、チャット健康相談やオンライン面談などをしています。ぜひお気軽に、ご相談ください。
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