【免疫力と運動の関係】最新の科学的知見!
運動と免疫機能の関係は近年多くの研究で詳細に解明されています。
昨今特に重要な視点として、免疫アップ効果は「運動の強度」によって大きく変わるということが明らかになってきました。
◎最新知見その1 免疫機能と運動の関係を示す「Jカーブモデル」
運動が免疫機能に与える影響は、グラフにするとアルファベットの「J」の字に似た曲線を描くことから「Jカーブモデル」と呼ばれています。
こちらのモデルは運動のレベルと感染症リスク(特に風邪などの上気道感染症)の関係性を以下のように示しています。

- 運動不足状態
定期的な運動習慣がないと免疫状態は低下し、感染リスクが平均より高くなる
- 適度な運動習慣がある状態
少し息が弾むが、会話ができる程度の中等度の運動によって免疫細胞の「NK細胞」が増加・活性化するため、
免疫力が高くなり、風邪や上気道感染症にかかるリスクが低下する
※早稲田大学の研究によると適度な運動後はNK細胞が一時的に「6倍程度」まで上昇したという報告あり
- 激しい運動をしている状態
心拍数が150を超えるような運動や、1時間を超える持久性運動(マラソンなど)はストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールなどを分泌させ、
免疫細胞の活動を抑制させるため免疫力が低下し、感染リスクが一時的に「高く」なる
免疫関連において運動はやらなさ過ぎても、やりすぎてもダメであり
「適度な運動量が大事!」…と少しイメージが付きましたでしょうか。
◎最新知見その2 風邪予防の最前線!「唾液中IgA」の増加
私たちが日頃から注意したい風邪などの上気道感染症を防ぐために、体の防御の最前線で働くのが「分泌型免疫グロブリンA(SIgA)」です。
SIgAは唾液、鼻水どの粘膜分泌液に豊富に存在する抗体であり、鼻や喉の粘膜でウイルスをキャッチして感染を防ぐ役割を担っています。
昨今の研究では「中等度強度の有酸素トレーニングを12週間程度継続する」ことで、この唾液中のSIgAレベルが増加し、風邪などの罹患率や症状の発生日数が減少することが報告されました。
この知見は、1990年代から確立され、2020年以降も免疫力向上の科学的根拠として活用されています!
適度な運動を継続することが体を強くすることが分かりますね。
【効率UP】免疫力向上に効果的な「鍛えるべき部位」
1)体幹(コア)の筋肉を鍛える!
体の軸を支える体幹の筋肉(腹筋群、背筋群、骨盤底筋など)は、すべての動作の土台です。
体幹が安定すると姿勢が改善し、血液やリンパ液の流れが滞りにくくなります。
また、
体幹を意識した運動は内臓の働きをサポートする自律神経のバランスを整える効果も期待でき、免疫環境の改善に貢献します!
体幹全体を効率よくトレーニング!「ニートゥーチェスト」
体幹と下半身を同時に鍛えるため、免疫アップに効果覿面!「ベアースクワットトランジション」
2)「適度な有酸素運動」を取り入れる!
Jカーブモデルでも示されている「適度な強度の運動」とは、厚生労働省の運動指針【健康づくりのための身体活動・運動ガイド】で明確に示されており
「少し息が弾む程度の運動」「安静時の約3倍程度の運動」「100〜120回/分程度の心拍になる運動」を指します。
免疫アップには
週に2~3回ほど適度な有酸素運動をする機会を取り入れるのが理想的です。
まずは初級!全身の有酸素運動ができます「HIIT(優しめver)」
優しめverに慣れたら、少し負荷をあげてみましょう!「HIIT(高負荷ver)」
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