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「なぜか疲れる」は周囲の影響…?
イライラがうつる「情動感染」とは

2026/02/12
ヘルスアップ健康だより

皆様こんにちは。ONLINE健康推進室です。
「近くに機嫌が悪い人が一人いるだけで、自分までどんよりした気持ちになる」
「怒っている誰かの声を聞くと、自分に関係なくても心臓がドキドキしてしまう…」
このような経験はありませんか?

それは自身の心が弱いからでも、考えすぎだからでもなく、他人の感情がまるで風邪のようにうつってしまう「情動感染」という現象が起きているのかもしれません。
今回のコラムでは「感情がうつる」メカニズムを科学的な視点で紐解き、周囲に振り回されずに自分らしく過ごすための「心のバリア」の作り方をご紹介します。

なぜ「感情」は周囲に伝播するの?

「情動感染」とは、文字通り他人の感情(情動)が自分にうつってしまう現象を指しており、心理学や脳科学の研究において、人間は無意識のうちに相手の表情や声のトーン・呼吸のリズムを真似してしまう性質があることも判明しています。 そこには、驚くべき脳の仕組みと、私たちが生き延びるために備えてきた知恵が隠されているのです。
「鏡」のような脳内細胞の仕組み
私たちの脳には「ミラーニューロン」という神経細胞があります。
ミラーニューロンは1990年代という比較的最近発見されており、他人の行動を見たときにまるで自分がその行動をしているかのように反応する細胞です。
相手が笑えば自分の脳も「楽しい」と感じる準備をし、相手が怒れば自分の脳も「攻撃・防御」の準備を始めます。
つまり私たちの脳は構造上、「他人に共感せずにはいられない」ようになっているのです。
絶滅を防ぐため「生存戦略」としての模倣行動
情動感染は人間が太古の昔から生き延びるために不可欠な機能だったともいわれています。
例えば、集団の中で一人が「あ!ライオンだ!」と恐怖を感じたとします。
その恐怖が瞬時に周囲に伝染することで、群れ全体が即座に逃げ出すことができます。
つまり「周囲の異変(感情)を素早くキャッチできる人」ほど、生き残る確率が高く、感情の伝播は生きていくうえで必須の反応ともいえるのです。

現代特有の情動感染とは?

私たちの感情は、視覚や聴覚などの五感にてキャッチした様々な情報に影響を受けてしまいます。
最近の研究では隣の人がイライラしながらキーボードを強く叩く音だけで、ストレスホルモンを分泌してしまうことも分かってきました。

現代ならではの現象として「デジタル情動感染」も注目されています。
メール・チャットの文面やSNSのタイムラインを見るだけでも、その言葉に含まれる感情のトーンを脳が拾い上げてしまうのです。
「誰とも会っていないのに、スマホを見ただけで疲れる‥」という感覚は、決して気のせいではありません。

周囲に影響されないための「心のバリア」術

「どうやって自分を守るか」という具体的なアクションについて、今日から試せる3つのポイントをご紹介します!
ポイント①「メタ認知」で心をコントロール
他人のイライラ等を感じて「嫌な気分だな」と思ったら、心の中でこう呟いてみてください。

「あ…今私の中で情動感染が起きているな」
「このイライラはあの人のものであって、私のものではないから大丈夫だよ」

心理学では自分の感情を客観的に観察することを「メタ認知」と呼びます。
単に「ムカムカ・イライラする」と思うのではなく、「相手の感情が鏡で映したように伝わってきているだけだ」と言葉にするだけで、脳の興奮はスッと冷めていきます。
メタ認知を働かせて自分の感情と他人の感情の間に、境界線を引くイメージを持ちましょう。
ポイント②「呼吸のリズム」で心の乱れを遮断する
相手のピリピリした空気や感情に飲まれそうになったら「自分の呼吸をコントロール」することに意識を向けてみましょう。
こころを整えるには、手軽にできる478呼吸の実践がとてもおすすめです。

1)鼻からゆっくり4秒かけて吸います。
2)息を7秒止めます。
3)8秒かけて、細く長く口から吐き出します。

相手の感情に同調するのをやめ、自分の「深くてゆったりした呼吸」を数分だけで良いので意識的に行うこと。
これだけで、脳に対して「自分は今、安全でリラックスした状態にある」という信号を送ることができ、情動感染を物理的に遮断することができます。
ポイント③物理的に距離をとる「リセット儀式」を決めておく

どうしても逃れられない空気を感じたら、数分だけでも良いのでその場を離れましょう。
「トイレに行く」「お茶を淹れる」「窓の外を見る」といった単純な動作で構いません。

ここでのポイントは「冷たい水で手を洗う」や「香りの良いハンドクリームを塗る」といった、五感を刺激する行動を取り入れることです。
五感への新しい刺激は、脳のネットワークを「他人」から「自分」へと引き戻す強力なアンカー(錨)になります。
自分にとっての【リセットする行動】をあらかじめ決めておけると安心です。

まとめ

「あ、相手の気持ちが伝わってきているな」と気づくだけで、心のバリアはぐんと強くなります。
周りの空気に飲み込まれそうになったら、一度立ち止まって深呼吸をしたり、その場を離れるなど、自分なりの対策を実施しながら心を守っていきましょう!

 

実践するにあたって気になることやご相談などありましたら、健康相談チャットを気軽にご利用ください。

執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
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