皆様こんにちは。ONLINE健康推進室です。
4月、新しい年度が始まりました。部署異動や新入社員の配属など、新しいチームでの活動がスタートした方も多いのではないでしょうか。
誰もが「まずは良い人間関係を築きたい」「居心地の良いチームにしたい」と願う時期です。
しかし、近年注目されている「心理的安全性」という言葉が広まった結果、現場ではある“反応”が起き始めています。
それは、「波風を立てないことが心理的安全性だ」という誤解です。
今回のコラムでは、最新の組織心理学の知見である「知的摩擦(Intellectual Friction)」をキーワードに、
ただの仲良しグループではない、本当に強いチームを作るための「本音の作法」について解説します。

アップデートされた心理的安全性
現在、多くの企業が「心理的安全性を高めよう」と取り組んでいます。
しかし、エドモンドソン教授(ハーバード・ビジネス・スクール)が提唱したこの概念は、しばしば本来の意図とは異なる形で解釈されるようになってきました。
「アムバウンド(心地よさ)」と「心理的安全性」の違い
多くの人が「心理的安全性」=「誰に対しても優しく、アットホームで、対立がない状態」だと思いがちです。
(心理学ではこの状態を「アムバウンド(心地よい状態)」と呼びます。)
エドモンドソン教授は最新の知見において、「心理的安全性とは、単に居心地が良いことではなく、むしろ『率直であることへの期待』である」と述べています。
真の心理的安全性とは、「チーム内で自分の意見や考えを自由に表現しても、非難されたり罰せられたりしない」という安心感が確保された状態であり、
お互いに気を遣い合って本音を隠す「偽りの平和」は、むしろ心理的安全性が低い状態と言えるのです。
メンバーが互いを信頼し、安心して意見を言い合える環境を作ることが大事、と少しイメージが付きましたでしょうか。
最高の成果を導く「知的摩擦(Intellectual Friction)」
強いチームには、共通して見られる特徴があるといわれています。
それは、人間関係の衝突は避けつつも、「仕事の内容(タスク)」については激しくぶつかり合っているという点です。
これを「知的摩擦(Intellectual Friction)」と呼びます。
なぜ「摩擦」が必要なのか?
私たちの脳は自分と異なる視点や意見(摩擦)に触れたとき、初めて深く思考し、新しい解決策を模索し始めます。
全員が「いいですね」と頷くだけの会議では、脳は省エネモードになり、創造性は停止してしまうことも。
そのような中で
重要なのは、「感情的な摩擦」を最小限に抑えながら、「知的摩擦」を最大化することです。
- 知的摩擦: アイデアの欠陥を指摘し合う、異なる視点から議論する。
- 感情的摩擦: 相手の人格を否定する、感情的に攻撃する。
心理的安全性が土台として機能しているチームでは、「この人は私を攻撃しているのではなく、プロジェクトを良くするために意見を言っているのだ」という信頼があるため、激しい議論が起きても関係性が崩れないのです。
実践!強い関係性を作る「本音の作法」
それでは、明日から職場で実践できる、知的摩擦を起こすための具体的なステップをご紹介します。
リーダーだけでなく、全メンバーができるアクションですので是非ご参考ください!
ステップ①自分の「無知」と「ミス」を真っ先に開示する
エドモンドソン教授が最も強調するのは、「自分もすべてを知っているわけではない」と認めることです。
「この部分はまだ不透明なんだけど、どう思う?」「実は以前、同じような失敗をしたことがあって…」といった自己開示(セルフ・ディス・クローズ)をすることで、「あ、ここでは弱みを見せてもいいんだ」という安心感を周囲に与えると、その後の円滑なコミュニケーションに繋げることができます。
ステップ②「意見」と「人格」を切り離す言語化
知的摩擦を起こす際は、主語を工夫しましょう。
たとえば「あなたの考えは間違っている」といった【個人を対象とした主語】にするのではなく、「そのプラン(事象)を成功させるために、こういうリスクが懸念される」という【物事を主語】にした表現を使いましょう。
×「(あなたは)なぜそんな極端な方法を提案するの?」
○「その方法を採用した場合、現場の工数がどう変化するか、別の視点からも検討してみませんか?」。
このように、常に
視点を「相手」ではなく「共通のゴール(仕事の質)」に向けることがポイントです。
ステップ③あえて「悪魔の代弁者(デビルズ・アドボケイト)」を置く
実は異論が存在するだけでチームの創造性が40%以上向上するともいわれています。
会議で全員が賛成しそうなときこそ、あえて反対意見を言う役割やタイミングを決めておくことも一つです。
(特定の人に「あえて批判する役割」を公式に割り当てることで、個人攻撃にならずに角を立てず議論を深められます)
その際ですが、役割を担ってくれた人には「役割を全うしてくれてありがとう」と感謝を伝えることで、さらに本音を言える文化が定着します!
本当の意味の心理的安全性の担保は、単に傷つけないように気を遣うチームではありません。
「失敗を恐れずに挑戦でき、お互いの成長のために率直なフィードバックを送り合えること」です。
4月の今、少しだけ勇気を出して、身近な人に自分の「本音」を伝えてみませんか?
ONLINE健康推進室は、皆様の「本音」が歓迎される職場作りを、これからも応援していますので
実践するにあたって気になることやご相談などありましたら、健康相談チャットを気軽にご利用ください。
執筆者プロフィール きくち/看護師
美容・サービス業の会社員として就業をした後に改めて看護資格取得。消化器内科・皮膚科などの臨床経験後に産業看護師として働く皆様の健康をサポートするオンライン相談業務に従事しておりました。一般論ではなく「目の前のあなた」に寄り添ったメッセージをお届けいたしますので、気になること・困ったことがありましたら気軽にご相談ください。
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