皆様こんにちは。ONLINE健康推進室です。
「しんどいけれど、みんな忙しそうで言い出せない」、「これくらいで相談していいのかなと思って、結局そのままにしてしまう」、そんなことありませんか。
しかし、最近の研究では、「困ったときに相談できるかどうか」、「周りに支えがあると感じられるかどうか」が、心と体の健康を左右する大きな要因の1つであることが示されています。
今回は「相談する力」を“健康スキル”としてとらえ直し、最新のエビデンスも交えながら、職場で無理をためこまないためのヒントをお届けします。

相談できる人ほど健康が守られやすい
周りからの支えや助けを、専門的には社会的サポート(social support)と呼ばれています。
国内外の多くの研究では、この社会的サポートが豊かな人ほど、病気になりにくく、なったとしても回復しやすいことが報告されています。
約30万人を対象とした米国の健康心理学者Holt-Lunstadらの研究によると、「家族や友人・職場などとのつながり」が豊かな人は、そうでない人に比べて「生存率が約50%高い」こと明らかになりました。
また、「家族や友人、職場などに頼れる人がいる」と感じている人はそうでない人に比べて、うつ病などのメンタル不調のリスクが低いという結果もあります。
つまり、困っているときに、周りに相談でき頼れる社会的サポートがあるほど、人は健康が守られやすいといえるでしょう。
この「困ったときに自分から助けを求める行動」は、ヘルプシーキング(help-seeking)と呼ばれ、
ヘルプシーキングは、病気の予防や早期発見・回復を左右するだけでなく、仕事のミスやトラブルを早期に防ぎ、チーム全体のパフォーマンスを高めるうえでも、科学的に重要な行動だと考えられています。
なぜ相談が難しいのか
それでも、「相談は苦手…」と感じることもありますよね。
背景にはいくつかの心理的なハードルがあります。
- 「忙しい人の時間を奪ってしまうのでは」という遠慮
- 「弱い人だと思われたくない」という不安
- 「これくらいで相談したら、大げさかもしれない」という自己否定
- 過去に相談したとき、「気にしすぎだよ」などと軽く扱われた経験
こうした「相談することへの恥ずかしさや抵抗感」をスティグマ(偏見)と呼び、ヘルプシーキングの大きな妨げになると指摘されています。
特に日本では「人に迷惑をかけてはいけない」「我慢するのが美徳」といった価値観が根強いため、相談が遅れやすい傾向があると報告されています。
相談しづらいのは、決して“あなたが弱いから”ではなく、文化や環境の影響も大きいということを、まずは知ってくださいね。
そのうえで「あなたの健康をまもるために」どうしたらよいのか一緒に考えてみましょう。

相談のタイミングは?
では、どのような状態になったら相談したほうがよいのでしょうか。
赤信号のときでしょうか?
…答えは「黄色信号のとき」です。
なぜなら、症状が軽いうちに相談したほうが、生活の調整や仕事の負荷の見直しなど、小さな工夫で軌道修正できる可能性が高くなるからです。
<黄色信号のサイン>
- 寝つきの悪さ、夜中に何度も目が覚める、早朝に目が覚めてしまう
- 朝起きた瞬間からの強いだるさ、疲れがとれない感覚
- ミスの増加、集中しづらさ、判断に時間がかかる
- イライラや不安感が続く、些細なことで落ち込みやすい
- 食欲の極端な増減、頭痛・胃の不調・動悸などの身体症状
これらは心と体が「負担が大きくなってきていますよ」と教えてくれているサインです。
サインが1〜2週間以上続く場合は、一度相談してほしい目安ですのでご自身に当てはまることがないか確認してみましょう。
誰に・何を相談すればいい?
「相談したほうがよさそう」と思っても、「誰に何を話せばいいのか分からない」という声も多く聞きます。
内容ごとに、代表的な相談先を整理してみます。
体の症状が心配なとき
【相談先】かかりつけ医、産業医、健康診断の事後フォロー窓口 など
検査や治療が必要かどうかの判断は、医師の役割です。
「ずっと続く頭痛」「急な体重変化」「動悸がある」などは、まず医療機関への相談を優先しましょう。
仕事量や働き方、人間関係の悩み
【相談先】上司、人事・総務、産業保健スタッフ など
業務量の調整や配置の相談、ハラスメントの懸念などは、職場の管理ラインや人事と連携して対応していく必要があります。
心の状態や生活全体のバランスが気になるとき
【相談先】産業保健師、産業医、社外の相談窓口(オンライン健康推進室など)
「病院に行くほどかは分からない」「生活や仕事のことも含めて話したい」と感じるときは、産業保健の窓口が入り口になります。
必要に応じて医療機関に橋渡しすることもできます。
相談の際は、完璧に整理して話そうとしなくて大丈夫です。
「なんとなくしんどくて…」
「最近ちょっと調子が落ちていて、相談したいことがあります」
「仕事のペースについて、一度話を聞いてもらえますか」
といった一言を伝えるだけでも、立派なヘルプシーキングです。
まとめ
相談は、誰かに迷惑をかける行為ではなく、あなた自身の健康を守り、結果的に職場全体を守るための“予防行動”です。
また「相談する力」は、生まれつき決まっているものではなく、誰でも少しずつ育てていける力であり、相談する力はまさに「あなたの健康を守る大切な力」です。
無理をためこまず、気になるサインがあればどうぞ遠慮なく周りに相談してみてください。
執筆者プロフィール 仙波/保健師
臨床・行政・教育現場など多様な現場で人と向き合ってきた経験をもとに、働く人の健康や働き方をサポート。
仕事と生活の両立に悩む声にも寄り添いながら、従業員向け健康支援コンテンツ作成や、看護職のキャリア相談に携わって参りました。
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