深部体温(体の内部の温度)は、昼間は高くて夜間は低くなります。 深部体温は、覚醒のレベルと連動しており、21時くらいから下がり始め、夜中に最も低くなって脳の活動を休める効果があります。 眠くなると手が温かくなるのは、眠る前に体の熱を放射させて、深部体温を下げようとしているからです。 反対に皮膚温度(体の表面の温度)は、昼間は低くて夜間は高くなります。 夜は深部体温が下がって皮膚温度が上がることで、温度差が縮まることが眠気のカギになります。 自然な眠気に誘われて入眠できると、最初の約90分にあたるノンレム睡眠時に深く眠ることができます。 この約90分に深く眠れるかどうかで睡眠の質が左右されるので、スムーズな入眠は睡眠にとって大切です。 関連コラム:睡眠の質は「黄金の90分」で決まる
深部体温と皮膚温度の差を縮めるために、最も有効とされるのが入浴による体温コントロールです。 温かいお湯につかることで深部体温は大きく上がり、上がったぶんだけ大きく下げようと働きます。この働きによって深部体温と皮膚温度の差が縮まります。 一度上がった深部体温は、その後、90分くらいかけて手足から放熱して下がっていきます。 深部体温が下がるまで時間がかかるので、深い睡眠を得るためには入眠予定の90分前には入浴を終えるのが望ましいです。40度のお湯なら15分程度ゆっくりつかりましょう。 寝るまでに時間が空く午前や午後に入浴しても効果は期待できません。また、寝る直前の入浴はかえって寝つきを悪くしてしまう可能性があるので避けましょう。 入浴していても手足が冷えやすいという人は、寝る1~2時期間前に靴下を履いて足を温めておくこともひとつの方法です。入眠時に靴下を脱ぐと、足から放熱して深部体温を下げることができます。
お風呂から上がった後は、気持ちを落ち着けてくれるカモミールなどのハーブティー、飲むとポカポカしてくるショウガ湯や葛湯、ノンカフェインのドリンク、白湯、ホットミルクなどお好みのホットドリンクでほっこり温まりましょう。 心身ともにリラックスでき、眠るための準備は万端です。
布団に入る約90分前の入浴で、深部体温を一度上げてから放熱作用を促し、皮膚温度との差を効率的に縮めていく。 上手な体温コントロールで心地よい眠りを手に入れましょう。
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